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海底で行なわれたサッカーの試合

    海底でサッカーをするとしたら、人々は不思議に思うに違いない。

    海底でのサッカー?

    今から数十年前の4月、偉大な金正日総書記が西海閘門の建設現場を訪ねた時のことである。

    しばらくの間、仮締め切りの工事が行なわれているところや基本ダムの建設現場、遠くに見える大規模の部材現場を眺めながら、総書記は一人の幹部から工事の状況に関する説明を聞いていた。

    主な各工事対象の人員配置とこれから行なう基本ダムや、仮締め切り、越流ダム、閘室の工事に関しての説明を聞きながら考え込んでいた総書記は、閘門建設における戦闘の手配と指揮に問題があるようだ、私の考えでは主要攻略目標がないように見えると述べた。

    わけのわからない幹部たちを見つめていた総書記は、閘門建設に関する報告を受けるたびに、基本ダムの工事がどれほど進んだという報告だけを受けたので一回行ってみようと思ったが、来てみるとやはり思ったとおりだとし、この建設でのキーポイントは何なのかについて分かりやすく説明してくれた。

    仮締め切りの工事を主要攻略目標に決め、そこに力を集中すべきである。そうしてこそ立体戦、全面戦を展開する党の要求をよりりっぱに実現することができる。…

    総書記の話を聞いてはじめて、幹部たちは戦闘の手配と指揮において自分たちが犯した過ちが何であるかが分かるようになった。

    もしずっとこのままだったら、先に終えるべき仮締め切りの工事がほかの工事よりずっと遅れるようになり、たとえ基本ダムと仮締め切りの工事を同時に終わらせるとしても、その時から仮締め切りのところの水を汲み上げ、閘室と越流ダムの工事を行なうことになって、いずれにしても閘門の工事は長期戦にならざるを得ないはずであった。

    深い自責に駆られている幹部たちの心を見抜いた総書記は、これからでも戦闘を手配しなおして、主要攻略目標に力を集中すべきだ、そして予定通りに仮締め切りの戦闘を終わらせて、この世にまたとないサッカーの試合、海底でのサッカーの試合をやってみろと述べながら、豪快に笑った。実に立派な目標であり、温かい激励であった。

    総書記が帰った後、幹部たちは主要攻略目標に力を集中するために、全般的に部隊を配置しなおした。

    それで基本ダムの建設に配置されていたいくつかの部隊と強力な輪転機材で編成された機甲部隊が、仮締め切り、閘室、越流ダムの工事現場に移されるようになった。

    随所にもうけられた速報板には試合の日付と時間が掲示された。

    「1984年4月15日の午前10時、試合開始」

    仮締め切りの工事を終わらせるための総攻撃戦が始まった。

    熾烈な攻撃戦の日々、人民軍軍人と建設者たちは、1211高地と351高地の英雄たちが発揮した無比の勇敢さと献身さ、不屈の闘志をそのまま具現して闘った。

    世界の人々が数年はかかると言っていた仮締め切りの工事をわずか2年で行い、多量の海水を一気に汲み上げた。

    祖国の繁栄と人民の幸福のために、歴史に類を見ないすばらしい出来事を引き続き構想し、尽きない献身の日々を続けた総書記の非凡な組織力によって、西海閘門の建設場にはやがて「海底のサッカー場」がもうけられた。

    忘れられないチュチェ73(1984)年4月15日10時!

    人民軍軍人たちは予定どおり「海底のサッカー場」でサッカーの試合を行なった。

    この世にまたとないサッカーの試合。

    まさにこれは、朝鮮の奇跡がどのように創造されたのかに関する誇らしい答えであった。