人類の社会には原始社会、奴隷社会、封建社会、資本主義社会、社会主義社会がある。
歴史上の初の類型の社会は原始社会である。
原始社会では人々が共同体のなかで平等な地位を占め、互いに血縁的に結ばれた氏族、種族集団をなして生きてきた。この社会で人々は社会共同の利益のための政治組織である氏族、種族、評議会を設け、それに依拠して生活を組織し運営して行った。そして幼稚ではあっても生産手段も共同で所有し、共同で働き、生産物も共同で消費しながら生活した。そのため原始社会には階級も国家も存在せず、搾取者も圧制者もいなかった。原始社会は一言で、人々の間に原始的平等が支配する社会であるといえる。
長い間存続されてきた原始社会は、階級が発生しながら次第に崩壊され、奴隷社会に移行した。
奴隷社会は原始社会が崩壊された後に出現した最初の形態の搾取社会である。
奴隷社会において基本階級は奴隷所有者と奴隷である。
奴隷所有者階級は国家権力と生産手段を掌握した支配階級、搾取階級である。奴隷所有者階級は奴隷までも自己の完全な所有物にし、彼らを過酷に搾取し、気ままに売買し殺すこともできた。奴隷社会において奴隷たちは被抑圧、被支配階級であり、「話す道具」に過ぎなかった。奴隷社会には奴隷だけでなく一部の自由民も存在した。もちろん彼らは奴隷のように奴隷主の完全な所有物ではなったが、奴隷主たちの過酷な抑圧と搾取を受け、それによって次第に奴隷に転落されるようになった。
奴隷社会はこのように奴隷主が国家権力と生産手段を独り占めにし、奴隷に対する完全所有が支配していた社会である。
奴隷社会が滅亡した後に発生した他の形態の搾取社会は封建社会である。
封建社会では土地にたいする封建地主の私的所有形態と個人労働によって耕作される土地と、一部の生産道具にたいする農民および手工業者たちの小所有が存在した。
封建社会では封建地主階級の利益を擁護する統治機構と身分制度が支配した。身分は封建地主、封建領主の政治的経済的特権を保障し、それを次代に譲り渡すために作られたものであった。封建社会では身分制度によって人民大衆に対する封建地主、封建領主たちの過酷な搾取と抑圧が合法化され、世襲化された。
封建社会はこのように封建地主、封建領主たちが国家権力と生産手段を掌握して、農奴、農民たちを身分的に従属させて支配する社会である。封建社会が崩壊して生まれた社会は資本主義社会である。
資本主義社会は一握りにもならない資本家階級が国家権力と生産手段を独り占めにし、労働者、農民をはじめ勤労者たちをもっとも過酷に搾取する人類の最後の搾取社会である。
資本主義社会において勤労大衆は、自らの労働力を商品として売らざるを得ない賃金奴隷に転落されて資本家階級に過酷に搾取されるだけでなく、初歩的な政治的権利と自由も保障されなくなる。
資本主義社会ではごく少数の資本家の制限のない貪欲と彼らの特権的地位を維持するための反人民的な策動により、物質生活においての不平等、物質生活と貧窮化する精神文化生活間の不均衡、人民大衆の増大する自主的要求と悪化される政治生活間の不均衡が深化されるようになる。
日増しに激化される資本主義社会の不平等と不均衡、反動性と反人民性により、資本主義社会は必然的に滅亡するようになる。
社会主義社会はあらゆる搾取社会と根本的に区別される新しい類型の社会である。
社会主義社会は広範な勤労人民大衆が国家主権と生産手段の主人となったもっとも先進的な社会である。社会主義社会で勤労人民大衆は国家主権と生産手段の主人になって、政治的権利を自由に行使しながら自主的で創造的な経済生活と思想文化生活を思う存分享受するようになる。
資本主義が人民大衆の墓地であるというなら、社会主義は人民大衆の楽園であるといえる。社会主義社会の発展とともに人民大衆はあらゆる従属と束縛から脱して、自己の運命の真の主人として生き、発展しようとする世紀的な念願を完全に実現するようになる。