いつか、
企業所の製品展示場に立ち寄って製品を一つずつ指導していた委員長は、製品平価の基準にたいする貴重な助言をおこなった。
委員長は以前、このような製品をつくるためには多くの労力と資材、時間が必要だったが、今は少ない労力で資材を節約しながらもマスプロしているのは大技術革新であると高く評価した。
そして、実際に使用者の評価がどうなのかと尋ねた。
幹部たちは、製品を使って見た人々がみんな好きであるということ、ある単位の幹部が訪ねて製品を見てとても感動して帰ったという、事実まで付け加えて委員長に自慢げに申し上げた。
彼らの話を聞いた委員長は、見る目にも良さそうであるとし、利用者が良いのなら、それで良いと再び評価した。
委員長が述べた利用者とは、ほかならぬ人民であった。
それを利用する人民の要求が製品の平価基準にならなければならないし、人民が好むなら良い製品となるが、人民に好かれなければ、どんな場合にも良い製品となれないというのは、ほかならぬ委員長の意志であった。