こんにち、国際舞台では、社会主義と帝国主義、自主勢力と支配主義勢力が鋭く対決している。国際情勢は複雑で力関係は錯雑しているが、支配と従属に反対し、自主性を志向する諸人民の闘争は絶えることなく続いている。帝国主義者と反動勢力は、世界の進歩的人民の自主的な志向と闘争を阻み、彼らの支配主義的野望を実現するため執拗に策動しているが、いかなる力も自主へと進むわれわれの時代の基本的潮流を逆行させることはできない。
帝国主義者と反動勢力の支配主義的策動を粉砕し、人民大衆の自主の偉業、社会主義偉業を力強く前進させるためには、革命闘争と建設事業で主体性を堅持し、民族性を生かさなければならない。革命偉業の遂行において主体性と民族性を固守してこそ、国と民族の自主的発展を保障し、人民大衆の自主性を着実に実現していくことができる。歴史的経験と教訓は、主体性と民族性を守るか否かが革命と建設の成敗を左右する要の問題であり、国と民族の興亡を決する死活の問題であることを示している。
わが党と人民は、偉大な領袖
われわれは、今後とも革命と建設で主体性と民族性を堅持し、チュチェの道に沿って力強くたたかっていくであろう。
革命と建設で主体性と民族性を固守するのは、人民大衆の自主の偉業、社会主義偉業の遂行において堅持すべき根本的原則である。
革命闘争と建設事業で主体性を堅持するというのは、自国、自民族の運命と人民大衆の運命を人民大衆自身が主人となって自主的に、創造的に開いていくということであり、民族性を生かすというのは、自民族に固有なすぐれた特性を保持し発展させ、それを社会生活の各分野に具現していくということである。
革命と建設で主体性を堅持し、民族性を生かすことは、社会主義偉業をその自主的本性と歴史的、現実的な状況に即して遂行するための原則的要求である。社会主義偉業は人民大衆の自主性を実現し、人民大衆の闘争によって前進し達成される自主的な革命偉業である。国と民族は人々の生のよりどころであり、運命開拓の基本単位であり、人民大衆の運命は国と民族の運命と切り離しがたく結びついている。人民大衆は民族国家を単位にして暮らし、運命を開拓していくので、国と民族を離れては人民大衆の自主の偉業、社会主義偉業について考えることはできず、国と民族の自主性が保障されずには人民大衆の自主性は実現されない。社会的人間は階級と階層の構成員であると同時に民族の構成員であり、階級性とともに民族性をもつ。個々の民族には歴史的に形成され強固になった固有の文化と伝統があるため、民族性を無視しては人民大衆の自主的要求と利益を正しく実現することはできない。主体性と民族性を固守してこそ、社会主義偉業は人民大衆の自主性を擁護し実現し、民族の自主的発展と繁栄を保障する真の革命偉業になることができる。
主体性と民族性を守り通そうとするのは、すべての国の人民の共通した要求であり志向である。祖国と民族を愛し尊く思わない人民はおらず、民族の尊厳と精神が踏みにじられ無視されるのを喜ぶ人民はあり得ない。社会主義を自国人民の心に深く根づかせ、人民大衆の熱烈な共感と支持のもとに前進させるためには、社会主義偉業の遂行において主体性と民族性を堅持し、国の尊厳と民族の精神を守っていかなければならない。
主体性と民族性を固守し、国と民族の自主的発展を保障することは、国際的団結と連帯を強化し、世界革命運動の発展に真に寄与するための必須の要求である。世界には多くの国と民族があり、国と民族ごとにそれぞれの特性があるが、すべての国、すべての民族は平等であり、自主的である。国際的団結と連帯は、自主性を志向する国と民族同士が支持し協力し合う関係であり、それは個々の国と民族の自主的発展が保障され、自主性を尊重し合う基礎のうえでのみ、真に自発的で強固な関係に発展する。自主性に基づく団結と協力、これが国と民族間の真の国際主義的関係である。主体性と民族性が抑制され、国と民族の自主性が踏みにじられるならば、国家間、民族間に不平等と不和が生じ、団結と協力はなされない。社会主義偉業は民族的な偉業であると同時に国際的な偉業であり、各国の革命が勝利し発展する過程を通じて世界の社会主義偉業が前進し、達成されていく。個々の国の人民が主人となって自国の革命と建設をりっぱに進めてこそ、世界の社会主義偉業も成功裏に前進することができる。
主体性と民族性を固守することは人民大衆の運命の開拓において根本的な意義をもつ問題であるが、従来の労働者階級の理論ではそれが正しく解明されなかった。
唯物史観の見地から人類史発展の合法則性を解明した従来の理論は、民族の形成を資本主義の生成・発展と結びつけ、すべての国で資本主義制度が一掃され、社会主義・共産主義建設が進展するに伴い、民族そのものが次第になくなるものと予測した。個々の国と民族に革命の主体的な力が準備されず、資本主義、帝国主義との闘争において労働者階級の国際的連帯の強化が基本的問題として提起された当代の歴史的状況のもとで、従来の理論は、社会主義偉業の遂行で主体性と民族性を守る問題を提起することができなかった。労働者階級には祖国がないという従来の理論の思想も、当時の社会主義運動において切実な意義をもつ、労働者階級の国際的団結と連帯を強化し、労働運動と社会主義運動内にブルジョア民族主義を扶植する日和見主義を克服すべき要求を反映して生まれたものと言える。
人民大衆が自らの運命を手中に収めて民族国家単位に革命と建設を主動的に、能動的に進めているわれわれの時代に至っては、国と民族が主体性を堅持し、民族性を生かすことが切実な要求として提起されるようになった。ところが、これまで社会主義を建設していた少なからぬ国の党は、変化した現実の要請に即して新たな理論と政策を打ち出せず、国と民族の自主的発展を保障するうえで提起される問題を正しく解決できなかった。それらの国の党は、世界の社会主義運動内で民族部隊が自国人民の要求と民族的特性、自国の実情に即して革命と建設を進めることをあたかも国際主義に背くかのように思い、国と民族の自主性を守り、民族的特性を生かす問題について相応の関心を向けなかった。こうした偏見と誤った政策のため、それらの国では社会主義が国と民族のための偉業に発展せず、民族的地盤と支持を失う結果を招くことになった。社会主義は階級的偉業であると同時に、民族の発展と繁栄のための偉業である。社会主義社会の発展、完成の過程は、勤労人民大衆の階級的要求と利益を実現する過程であると同時に、国家の富強・発展と民族の繁栄を遂げていく過程とならなければならない。どの民族であれ、民族構成員の絶対多数を占めるのは労働者階級をはじめ勤労人民大衆であるため、主体性と民族性を無視すれば、必然的に勤労人民大衆の階級的要求も満足に実現できなくなる。多くの国で社会主義偉業が真の民族自主偉業にならなかったため、社会主義は階級的にもその地盤が次第に弱まり、結局、帝国主義者と革命の裏切り者の反社会主義策動によって挫折と崩壊の運命を免れなかった。
社会主義が挫折した国々では国と民族の尊厳が踏みにじられ、人民が災厄を被っており、民族紛争の流血の惨禍まで招いている。帝国主義者はこれを利用して、民族受難の責任を社会主義に転嫁し、社会主義のイメージを曇らせようと熱を入れている。
民族の発展を遂げるうえで社会主義が資本主義に比べて劣るかのように中傷する帝国主義者の主張は、白を黒という恥知らずな捏造である。民族発展の道を阻むのは、社会主義ではなく資本主義である。民族構成員が敵対的階級に分裂し、社会の利益より個人の利益を優先させる資本主義社会では、民族的団結が図れるものではなく、人々が国と民族の発展に主人としての態度を取るはずもなく、社会的財産が民族共同の発展に有効に使われるはずもない。資本主義社会ですべての生産手段と財産を掌握している搾取階級が関心を向けるのは、ただ金儲けである。反動的搾取階級は財をなすためなら国と民族の利益もためらうことなく売り渡し、他国、他民族を侵すこともためらわない。他国、他民族に対する支配と略奪は、帝国主義の変わることのない本性である。資本主義のもとでは民族的平等も、民族の自由な発展も実現することはできない。国と民族の真の富強・繁栄は、ただ民族の全構成員が利害を共にし、社会のすべての財産が民族共同の発展に利用される社会主義社会でのみ実現される。社会主義は民族の自由な発展を保障し、階級的搾取とともにあらゆる民族的不平等を一掃する。
わが党と人民は、
主体性と民族性を守り具現することは、
わが党と人民はチュチェ思想の旗を高く掲げ、国の自主独立と社会主義をめざす闘争において帝国主義者と日和見主義者のあらゆる策動を粉砕しながら、主体性と民族性を固守し具現し、その過程でりっぱな成果を収め、貴い経験を積んだ。
わが党と人民は主体性を堅持することを革命と建設の根本的原則とし、つねに朝鮮革命、朝鮮民族の運命を中心に据え、すべてをそれに服従させて解決することにより、革命と建設を自主的に、創造的に遂行する前人未踏の道を切り開いた。
主体性を堅持するためのわが党と人民の闘争は、世界の社会主義運動の団結と連帯を強める闘争と一つに統一されて進められた。われわれは、主体性と国際主義を対峙させるあらゆる誤った傾向を断固排撃し、社会主義運動の本性に即して国際的団結と連帯を強化するため積極的にたたかった。朝鮮の共産主義者と人民は、比類なく複雑で困難な朝鮮革命を遂行しながらも、つねに他国人民の反帝・自主偉業、社会主義偉業を強く支持、声援し、階級的戦友、革命的人民と団結してたたかう国際主義的原則を守った。社会主義諸国間の意見の相違と反目が激化し、世界の社会主義運動に分裂の危機が生じたときにも、わが党は原則的で自主的な立場にしっかりと立ち、社会主義諸国が互いに理解し、和解するよう大きな努力を傾け、他の社会主義国が反米抗戦を繰り広げたときには、困難な状況下で革命を進めながらも惜しみない援助と支援を与えた。わが党と人民は社会主義国だけでなく、自主性を志向するすべての国と、完全な平等と互恵に基づく友好・協力関係を発展させるため積極的で主動的な闘争を進め、全世界の進歩的勢力の国際的連帯の強化に大きく寄与した。
自らの運命の主人となって革命の道を独創的に切り開き、自主性に基づく世界の社会主義運動と進歩的運動の団結と連帯の新しい歴史を開いたわれわれの闘争の成果と経験は、主体性を堅持することこそが朝鮮革命と世界革命運動の勝利の重要な保証であり、民族的任務とともに国際的任務にも忠実でありうるもっとも正しい道であることを明白に示している。
わが党は民族性を尊び、朝鮮人民のすぐれた民族的伝統を大いに生かし、それを革命と建設の各分野に具現した。
歴史的に形成された民族性は、時代的・階級的制約を受けることもあるが、民族性を復古主義、ブルジョア民族主義の温床と見なすのは誤りである。民族性には民族の自主精神と文化伝統が体現されており、それは国と民族の貴い財産、社会主義建設の重要な資産となる。
わが党は、聡明かつ勇敢で、不義を憎み正義と真理を愛し、徳義を尊ぶ朝鮮人民のすぐれた民族性を大いに生かして絶えず発展させ、それが社会主義建設の推進と国の富強・発展の重要な要因となるようにした。民族性を生かし発展させるわが党の政策は、人民に積極的に支持され、党に対する人民大衆の信頼を強め、社会主義を人民大衆のあいだに深く根づかせるうえで大きな生命力を発揮した。
わが党は民族性を民族の団結の重要な基礎としてきた。自らの民族を愛し、民族性を尊ぶのは民族構成員の共通の心理であり、それは全民族を団結させ結束するうえで重要な意義を有する。朝鮮の真の共産主義者は、革命闘争の初期から民族性を重視し、民族性に基づく各階層の団結を実現するため積極的にたたかい、その過程で民族主義者との団結も成功裏に実現した。帝国主義者と反動勢力は民族内部に反目と不和のくさびを打ち込もうとして、共産主義と民族主義のあいだには越えがたい深淵があるかのように言っているが、共産主義と民族主義は愛国愛族という共通の要求と志向をもっている。民族主義に制約があるからといって、その進歩的側面を無視して排斥するならば、民族の団結を実現することはできない。共産主義と対立するのは民族主義一般ではなく、民族主義を隠れみのにして民族共通の利益を少数の搾取階級の利益に従属させるブルジョア民族主義であり、民族利己主義、民族排外主義である。われわれは、民族を愛し民族性を尊ぶ共通性を基本として民族主義者との団結と合作を主動的に実現し、彼らが最後まで愛国愛族の道を歩むよう粘り強く導いて、民族の独立と社会主義をめざす闘争で共産主義者と運命を共にしながら大きな寄与をなすようにした。
外部勢力によって民族が分裂し、北と南に相異なる思想と体制が存在するわが国で、民族大団結と祖国統一の基礎となるのは、民族性とそこから生まれる民族愛、民族自主精神である。ことに外部勢力と反動勢力の策動によって南朝鮮で民族性が踏みにじられ死滅しつつある状況下で、われわれが民族性を大いに推し立てて生かしていかないならば、全民族の団結と祖国統一の基礎を失い、民族が異質化して互いに他民族として分かれる恐れがある。
民族の偉大な父である
民族性を固守し具現するための闘争において、朝鮮民族第一主義を打ち出したのはとくに重要な意義がある。わが党は、革命と建設の主体である人民大衆が朝鮮民族の偉大さに対する誇りと自負を抱き、民族の魂と精気を輝かしていくことを民族性を生かす闘争の鍵と見なし、これに大きな力を傾けた。わが党は、歴史的に形成された朝鮮人民のすぐれた民族性を全面的に開花、発展させ、革命と建設、社会生活の各分野で新しい民族的優秀性をりっぱに創造し、それに基づいて朝鮮民族第一主義を打ち出し、それをもって人民を武装させた。朝鮮民族第一主義精神の確立は、民族性を生かす闘争に新たな転換をもたらし、社会主義偉業の遂行において民族性の果たす役割を著しく高めた。老若男女を問わず、すべての人が『ピョンヤンがいちばんだ』という歌を愛唱していることからも分かるように、こんにちの朝鮮人民は、誰もが朝鮮民族として生まれたことをこのうえない誇りとしている。朝鮮人民は、偉大な領袖を戴き、偉大な党の指導を受け、すぐれた社会主義制度で生き働く朝鮮民族がいちばんだという強い自尊心と自負を抱き、祖国の富強・発展と社会主義の勝利をめざす闘争で民族の尊厳と英知をとどろかせている。
民族性を生かすためのわが党と人民の闘争経験は、労働者階級の党と国家が民族性を尊び、革命と建設でそれを具現するため積極的にたたかってこそ、民族の全構成員を結束させ、彼らの愛国的熱意を強く発揮させて社会主義偉業を成功裏に前進させ、国と民族の自主的発展と繁栄を遂げることができることを示している。
人民大衆の自主の偉業、社会主義偉業遂行の独創的な道を切り開いた
主体性と民族性を固守し具現して社会主義建設を促進し、祖国の統一と富強・発展を遂げていくのは、わが党と人民の揺るぎない信念であり、意志である。われわれは、偉大な領袖
愛国愛族の立場を守るのは、革命と建設において主体性と民族性を堅持するための先決条件である。
革命家は国と民族を限りなく愛し尊ぶべきである。国と民族を離れては誰も生きていくことはできず、運命を切り開くこともできない。個人の運命と民族の運命は切り離しがたく結びついているため、わが党は、社会の全構成員が正しい民族観を身につけるよう教育することに力を注いでおり、多部作劇映画『民族と運命』のような文学・芸術作品の創作にも力を入れている。劇映画『民族と運命』の基本思想は、国と民族の運命はすなわち個人の運命であり、民族の生命のなかに個人の生命があるということである。自らの運命を真に切り開こうとする人は、国と民族を生のよりどころ、幸せのわが家と見なして熱烈に愛すべきであり、国と民族の自主・独立と富強・繁栄のために自分のすべてを捧げることに生きがいと生きる価値を見いだすべきである。
人々にとって、自分の階級にどのように対し、階級の一構成員としていかに生きるかということが重要な問題となるが、それに劣らず、民族の一構成員としていかに生き、たたかうかということが重要な問題となる。こんにちの朝鮮人にとっては、民族の分裂によって一時的に形成された体制上の違いや思想と理念、政見と信教の違い、階級と階層の違いを越えて、すべての人が国と民族を愛する心をもち、朝鮮民族の一構成員として真に生き、民族共通の目的のために自分を捧げることが何よりも大切である。朝鮮民族の血と魂をもった人であれば、どんな社会体制下でどの階級や階層に属そうとも、国内に住もうと海外に住もうと、すべての人が自らの運命を国と民族の運命と結びつけ、祖国の自主的統一と民族の繁栄のために身も心も捧げてたたかうべきである。
革命を導く党が国と民族を尊び、その運命に責任を負う立場に立つのは、自己の指導的使命をまっとうするための根本的条件となる。国と民族の自主性を擁護し固守するのは、人民大衆の自主性を実現するために提起される第一義的な要求である。労働者階級の党が階級的理念と要求のみを絶対化して民族的利益を軽んじるなら、国と民族の運命に責任をもつことはできず、愛国愛族の闘争を正しく指導することも、人民大衆の自主性を正しく実現することもできない。革命と建設を指導する党は、すべての思考と活動においてつねに国と民族を重視する立場を堅持し、人民大衆を正しく導いて国と民族の利益を断固守り、祖国の富強・発展と民族の繁栄を成し遂げていかなければならない。
わが党と人民は、自主、独立、社会主義をめざす長期にわたる革命闘争の道で愛国愛族のりっぱな模範を創造した誇り高い党であり、人民である。朝鮮の共産主義者は祖国の解放と自主的発展のためにすべてを尽くしてたたかったもっとも熱烈な愛国者であり、朝鮮革命が開拓され前進してきた歴史の全過程は、国と民族のための朝鮮人民の聖なる闘争で一貫している。朝鮮人民の愛国愛族の誇りある伝統は、こんにち、わが党の指導のもとにりっぱに継承され、発展している。全人民は愛国愛族の崇高な伝統を継承して国と民族の根本的利益を守り、わが国、わが祖国をさらに富強にするためのわが党の構想と政策を献身的に実現していかなければならない。
民族自主の原則で革命と建設を自らの方式で進めるのは、主体性と民族性を固守するための基本的要求である。
自国と自民族の運命開拓で提起される問題を自らの決心によって処理するのは、なんぴとも侵すことのできない自主的権利である。革命を進める党と人民は、外部勢力の干渉と圧力を断固排撃し、独自の決心と判断によって自らの問題を自らの要求と利益に即して決定しなければならない。
外部勢力に抑えられて自らの定見と信念を掲げることができないのは、とりもなおさず従属の道であり、亡国の道である。帝国主義者と支配主義者の意思にしたがい、彼らにへつらって生きてきた国と民族が瀕している破局的運命は、このことを実証している。革命を進める党と人民は、帝国主義者と支配主義者の圧力が大きくなるほど自らの定見をいっそう高く掲げ、自ら決定した路線と政策をあくまで貫かなければならない。外部勢力の圧力に屈し、難関を前にして動揺したりくじけたりして自らの信念と自らの選んだ道から退くなら、またと立ち上がることはできなくなる。革命を進める党と人民は、いかに厳しい難関や試練に直面しても、自己の偉業の正当さに対する信念を失ってはならず、堅忍不抜の意志と闘争によって自ら選んだ道、自主の道を変わることなく進まなければならない。
革命と建設を前進させ社会を発展させるには、つねに自分なりの方法と方策を探し出し、それに依拠すべきである。他国のやり方を好み、それを真似るのは、民族の運命に責任をもつ主人の態度ではない。他国のもののうち、すぐれたもの、進んだものは受け入れるべきであるが、それを機械的に模倣したり、基本として押し立ててはならない。社会主義を建設する党と人民は、国家・社会制度の管理と社会生活の組織において資本主義的な「西側式」を許してはならず、政治、経済、文化など国家・社会生活の各分野に革命的で民族的な自らの方式を具現しなければならない。
社会経済的難関や民族紛争の災難に見舞われている国も、それを克服する方法を自力で探し出すべきであり、帝国主義者の「処方」に期待をかけてはならない。帝国主義者が世界各地を駆け回りながら振りかざしている「処方」なるものは、他国と他民族の発展のためのものでもなければ、他国の経済を活性化し民族的和解を図る「妙案」でもなく、自分たちを粉飾して漁夫の利を占めるためのものである。現実が示しているように、帝国主義者の「処方」を受け入れたところでは、社会経済的難関はさらに深刻になり、民族紛争はいっそう激化している。社会経済的難関や民族紛争に見舞われている国は、病巣をさらに悪化させる帝国主義者の「処方」を排撃し、自分なりの処方で難関を克服すべきである。
わが党と人民は、自らの信念にしたがって革命の道を自主的に選択し、革命と建設で提起されるすべての問題を独自の定見をもってわれわれの方式で解決しながら革命偉業を前進させてきたことを誇らしく思っている。われわれの方式には人間中心のチュチェ哲学があり、愛国愛族の精神がこもっている。われわれは他人の意思と処方にしたがわず、自らの定見と自分なりの革命方式を堅持したので、強力なチュチェの社会主義を建設し輝かしてくることができた。われわれは今後も民族自主の原則で、われわれの方式で生き、革命を進めて、われわれの社会主義を固守し前進させ、国と民族の絶えまない富強・繁栄を成し遂げていかなければならない。
主体的力量は、主体性と民族性を固守し具現する実際的保証である。
主体的力量を整えるうえでの基本は、自己の政治的力量をしっかり固めることである。主体性と民族性を固守するためには、物質的・経済的力量をはじめすべての面で自己の力量を整えなければならないが、もっとも重要なのは政治的力量、革命の主体をしっかりと固めることである。
革命の主体の威力は団結にある。
国と民族の自主性のための闘争においては、何よりも民族共通の要求と利益に基づいて民族の団結を実現しなければならない。現在われわれにとって、民族の大団結を実現し、祖国統一のための主体的力量をしっかり固めることが、もっとも切実に求められている。全民族の大団結を実現してこそ、内外の分裂主義勢力を打ち破り、祖国統一の偉業を成就することができる。北と南、海外のすべての同胞は、民族大団結の旗のもとに固く団結し、民族最大の悲願である祖国の自主的統一を実現するために力強くたたかわなければならない。
階級的対立が一掃された社会主義社会では、民族はすなわち人民であり、人民はすなわち民族であり、その統一団結の中心は党と領袖である。社会主義社会での民族の団結は、党と領袖を中心とする全社会の思想、意志の統一団結でなければならない。わが党は、全人民をチュチェ思想で武装させ、全社会を党と領袖を中心に固く団結した一つの社会的・政治的生命体に変えることによって、領袖、党、大衆が渾然一体となった革命の自主的主体をしっかり整えた。領袖、党、大衆が一心団結をなした自主的主体の威力は、帝国主義との闘争においても、社会主義建設においても、われわれのすべての勝利の根本的裏づけとなっている。われわれは領袖、党、大衆の一心団結をさらに強化し発展させ、その威力を高く発揮させて、敵の侵害から国と民族の自主権を固く守り、革命と建設を力強く推進しなければならない。
自己の政治的力とともに、経済的・軍事的力量を整えなければならない。自己の強力な経済力と軍事力を持っていない党と人民は、革命と建設において自主的主体としての責任と役割を果たすことはできず、主体性と民族性を固守していくこともできない。革命を進める党と人民はあらゆる困難を克服し、全力を傾けて国の自主的発展を保障する自己の経済力と軍事力を整えなければならない。
経済建設と国防建設における科学技術の役割がかつてなく大きくなり、世界的に熾烈な科学技術競争が繰り広げられている状況のもとで、発達した科学技術をもたずには強力な経済力と軍事力を整えることはできない。社会主義を建設する党と人民は、主体的立場にしっかりと立ち、自国の革命の要請と具体的な現実に即して自らの努力で科学技術を発展させなければならない。世界各国との科学技術の交流の拡大・発展と他国の先進科学技術の導入も、自国の実情に即して行わなければならない。社会主義の優越性に依拠して自国人民の力と知恵を十分に発揮させ、あらゆる可能性と潜在力を極力引き出すならば、ゆうに科学技術発展の高峰をきわめ、国の自主的発展を科学技術的に保障することができる。
わが党と人民は、自己の強力な経済力と軍事力を整えることを自主独立国家建設の根本的要求として提起し、新社会建設の初期から勤倹節約し、困苦欠乏に耐えながら不屈の闘争を繰り広げて、国の自主権と民族の富強・繁栄を保障する強力な経済的・軍事的土台を築き上げた。こんにち、われわれが帝国主義者の悪辣な反社会主義・反共和国策動に断固と対処し、革命の根本的利益と国の尊厳を固く守っているのは、強力な自立的民族経済と自衛的国防力を建設したからである。われわれは、自立的民族経済の威力と自衛的国防力を強化する闘争を引き続き力強く繰り広げて、自主的な国家・社会生活の物質的基礎をさらに固め、国の安全と人民の幸せな生活をしっかりと守らなければならない。
主体性と民族性を固守するに当たっては、人民の民族的誇りと自負を高めることがきわめて重要である。
民族的誇りと自負は、民族愛と民族自主意識の表れである。革命を進める党は、つねに人民のあいだで民族自主意識を確立するための思想活動を積極的に展開し、彼らに、自らの国と民族を誇らしく思う感情と、国と民族を守りさらに発展させようという決意を抱かせなければならない。とくに小さくて立ち後れた国、かつて大国の支配と干渉を少なからず受け、事大主義と教条主義が根強く残っている国では、民族自主意識を高める思想活動をいっそう積極的に進めなければならない。
民族的誇りと自負は、自民族の優秀性を体得することで生まれ、表れる。国と民族の運命を切り開く闘争の過程で社会的、歴史的に形成される民族の優秀性は、人種的特性とは関係がなく、ある特定の民族にのみ備わるものでもない。すべての民族にはそれぞれの優秀性があり、それを生かし、推し立てようとする志向と要求がある。革命を進める党は、自民族の優秀性を正しく認識し、それを積極的に推し立ててこそ、人民のあいだで民族的誇りと自負を高めることができる。
民族の優秀性を生かし、推し立てるうえで重要なのは、民族の遺産を正しく継承し発展させることである。民族の遺産を軽視し無視する虚無主義は、民族的優秀性の開花・発展を阻む主要な障害である。民族の優秀性を生かすためには、民族の遺産を大切にする立場をとり、民族の優秀性を否認する虚無主義を徹底的に排撃し克服しなければならない。民族の遺産を大切にするという看板のもとに、過去のものをむやみに復活させる復古主義も、やはり民族の優秀性を正しく生かせなくする有害な傾向である。復古主義を容認するならば、搾取階級の要求と趣味が反映され、時代の発展に逆行する古くて立ち後れたものが息を吹き返し、社会主義の要求に即して民族の優秀性を生かすうえで障害がもたらされる。民族の優秀性を正しく生かすためには、民族の遺産に対する虚無主義的態度と復古主義的傾向を共に排撃し、民族的立場と階級的立場、歴史主義的原則と現代性の原則を正しく結びつけて、古いもの、社会主義に合わないものは切り捨て、進歩的で人民的なものを推し出し、発展させなければならない。
歴史的に受け継がれてきた民族の遺産を正しく生かすとともに、民族の新しい優秀性を絶えず創造しなければならない。遺産として受け継がれてきた民族の優秀性に基づいて新しい優秀性を創造していくとき、民族の優秀性はさらに開花・発展し、民族的誇りと自負を高めるうえでそれが果たす役割は大きくなる。社会主義を建設する党は、革命と建設を成功裏に推進して、政治と経済、思想と文化、道徳のすべての分野にわたって民族の新しい優秀性を絶えず創造することで、人民のあいだで民族的誇りと自負を高めなければならない。
民族の優秀性は、偉大な領袖の指導のもとに革命偉業を遂行する過程でもっともりっぱに創造され、高く発揮される。民族の優秀性はとりもなおさず領袖の偉大さであると言えるし、民族の優秀性に対する誇りと自負は、偉大な領袖を戴く誇りと自負に集中的に表れる。
朝鮮人民は、敬愛する領袖
われわれは、朝鮮民族第一主義の教育を引き続き強化して、人民が高い民族的誇りと自負を抱き、朝鮮民族の偉大さをいっそう輝かしていくようにすべきである。
主体性と民族性を固守する闘争は、とりもなおさず帝国主義、支配主義に反対する闘争である。
帝国主義者は今、人民大衆の自主の偉業が試練に直面していることを奇貨として、他国と他民族の主体性と民族性を抹殺し、彼らの支配主義的野望を遂げようといっそう露骨に策動している。帝国主義者の支配主義的策動に反対する闘争を抜きにしては、現段階における国と民族の自主的発展について考えることはできず、人民が再び植民地奴隷の運命に陥るのを食い止めることもできない。
帝国主義に対する幻想と恐怖をなくさなければならない。
侵略と略奪は帝国主義の本性であり、国際情勢がいかに変わっても帝国主義者の支配主義的野望は変わるものではない。帝国主義の侵略的・略奪的本性を見抜けず、彼らの「援助」に期待をかけることほど愚かで危険なことはない。帝国主義者の「援助」は、一つを与えて一〇、一〇〇を奪う略奪と従属のわなである。革命を進める党と人民は、帝国主義に幻想を抱いた国と民族がなめている悲惨な現実を見極め、つねに反帝・自主の立場を堅持し、帝国主義者に対する幻想の些細な要素も徹底的に克服しなければならない。
帝国主義に対する恐怖は、彼らに対する幻想のいま一つの表れである。帝国主義は決して恐るべき存在ではなく、自らの時代を生き尽くした歴史の廃物である。帝国主義と対決するのを恐れて反帝闘争を放棄するなら、いつになっても帝国主義の支配と統制から抜け出すことはできない。革命を進める党と人民は帝国主義の脆弱性を見抜き、虚勢を張る帝国主義者と勇敢に対決し、彼らの反動的攻勢を革命的攻勢で断固粉砕しなければならない。
帝国主義者の悪辣で狡猾な民族抹殺政策と、それを合理化する反動的理論を徹底的に粉砕しなければならない。
民族の主体性を抑制し、民族性を抹殺する帝国主義者の反動的政策はこんにち、世界「一体化」の流れという強盗さながらの詭弁のもとに新たな様相を帯びて展開されている。個々の国と民族が自らの思想と体制をもって自らの運命を切り開く状況下で、政治、経済、文化を包括する世界の「一体化」などあり得ない。社会が発展し、民族間の連係と交流が盛んになるにつれて諸民族の生活上の共通性は増すが、それはあくまでも諸民族の独自の個性的な発展を前提とし、それを基礎にしてなされるものである。帝国主義者が世界「一体化」の流れというものをつくり上げたのは、全世界を西側式の「自由世界」に変え、すべての民族を彼らに従属させ同化させることが目的である。すべての国と民族は、世界「一体化」の流れという看板のもとでの帝国主義者の民族抹殺政策の危険性を見抜き、彼らの支配主義的策動を粉砕する闘争を強化しなければならない。
他民族を抹殺し同化させようとする帝国主義者の策動は、対外的にのみでなく、国内の少数民族と外国人居住者にも及んでいる。かつてもっとも悪辣な植民地支配と民族抹殺政策によって朝鮮民族に計り知れない災厄と苦痛を与えた日本帝国主義者が、こんにち、在日朝鮮人の民族的権利を抑圧し民族意識を抹殺しようと狂奔し、在日朝鮮人を彼らに同化させようと執拗に策動しているのは、その代表的な例である。民族の運命に責任をもつ党と国家は、海外に居住する自民族の構成員に対する帝国主義者の狡猾な民族同化策動を鋭く注視し、それを暴露、粉砕する闘争を強化しなければならない。
歴史によって破綻を余儀なくされた「人種論」「コスモポリタニズム」をはじめ反動的理論はこんにち、いろいろな形態に脚色、変形されて人々の民族意識と革命意識を麻痺させ、帝国主義者の民族抹殺政策を正当化する思想的道具として利用されている。主体性と民族性を守るためには、帝国主義者の支配主義的本性を隠し、正当化するあらゆる反動的思潮と詭弁を徹底的に暴露、粉砕しなければならない。
帝国主義者の支配主義的策動に反対する闘争は、民族反逆者に反対する闘争と結合されなければならない。自国と自民族に背き、帝国主義者と結託して民族の利益を売り渡す反逆者をそのままにしておいては、帝国主義、支配主義を粉砕することはできず、民族の発展を図ることもできない。これは、わが祖国の南半部の現実が雄弁に物語っている。
歴代の反動支配層の事大主義的売国行為によって民族性がはなはだしく踏みにじられてきた南朝鮮では今、当局者の反民族的な「国際化」「世界化」騒ぎによって民族の魂と良風美俗がことごとく消え去りつつある。「国際化」「世界化」は、民族的なものをすべて抹殺し、外部勢力に国と民族をそっくり手渡す代価として、彼らの権力と安逸を維持しようとする前代未聞の反民族的な売国行為である。「国際化」「世界化」の看板のもとに実施されている屈辱的な開放政策によって、政治、経済、文化の各分野にわたってアメリカ式、日本式、西洋式が氾濫し、南朝鮮では政治方式から言葉と文字、生活風潮に至るまで社会生活がすべてアメリカ化、日本化、西洋化しており、外部勢力がのさばって民族性と民族の尊厳が容赦なくじゅうりんされ、抹殺されている。南朝鮮で帝国主義者の支配と従属のくびきを断ち切って自主的発展の道を開くためには、国と民族を外部勢力に売り渡し、あらゆる民族的不幸と災厄をもたらす反逆者を一掃しなければならない。
帝国主義、支配主義に反対し、主体性と民族性を固守するためには、世界の進歩的人民のあいだの国際的団結と協力を強化しなければならない。世界の進歩的人民が互いに支持、声援し緊密に協力すれば、個々の国の民族独立と富強・発展を成し遂げ、世界の自主化の偉業を成功裏に実現していくことができる。社会主義諸国と非同盟諸国、すべての発展途上諸国は自主性の旗のもとに固く団結し、国際社会を民主化する闘争を力強く展開して、帝国主義者がつくった支配と従属の旧国際秩序を打ち壊し、自主権と平等、正義と公正に基づく新国際秩序を樹立し、集団的自力更生の原則で南南協力を極力発展させて、共に富強・繁栄を遂げなければならない。
自主、平和、親善は、国際的連帯を強め、全世界の自主化の偉業に寄与するわが党の対外政策の理念である。わが党と人民はつねに自主と平等、平和と親善、互恵の原則で世界各国人民との連係と協力を発展させ、国と民族間の公正な国際的関係と秩序を確立するためにたたかってきた。われわれは世界の進歩的人民との団結と協力を強化し、国際社会を民主化するための闘争を積極的に展開して、すべての国と民族の自主性を擁護し、世界を自主化するための闘争で自らの国際的任務と時代的使命をまっとうしなければならない。
主体性と民族性を尊び、それを固守し具現していくのは、チュチェ思想を指導指針とするわが党の一貫した政策である。わが党はこれまでと同じく、今後もチュチェの原則、民族自主の原則を変わることなく堅持して、偉大な領袖