人民大衆の自主性を実現する革命運動は民族解放、階級解放、人間解放の歴史的な闘争過程を通じて発展する。
「労働者階級をはじめ勤労人民大衆が世界を支配する偉大な勢力として登場した新しい時代は、かれらが自らの運命の主人となってそれを自主的に、創造的に切り開き、民族解放、階級解放、人間解放の歴史的偉業を勝利のうちに実現していける新たな世界観の出現を求めました。この歴史的課題は、チュチェ思想の創始によってりっぱに解決されました。」
人民大衆の自主性を実現する革命運動はまず、民族解放革命から始まり、発展する。
民族解放革命は帝国主義者の支配と従属を一掃し、国と民族の自主性を実現する闘争である。
民族解放革命が、自主性をめざす人民大衆の革命運動において最初の段階の革命闘争になるのは、人民大衆の運命が民族の運命と結ばれており、民族的抑圧と支配から脱するのが階級解放と人間解放のための基礎と、前提となるためである。
民族解放の基本課題は、帝国主義者とそれに野合した民族反逆者を一掃し、民族の自主権を堂々と行使する自主独立国家を建設することにある。
民族解放革命は、帝国主義者が膨大な植民地ファッショ暴圧機構を設けて民族解放をめざす人民大衆の革命的進出を野獣的に弾圧する条件で民族の団結された力に基づいた組織的な武装闘争によってのみ、勝利することができる。
人民大衆の自主性をめざす革命運動は次に、民族解放革命から階級解放革命へ発展する。階級解放革命は人民大衆があらゆる階級的搾取と抑圧から脱し、国家と社会の主人となる革命である。
階級社会において反動的搾取階級は、政権を自らの独占物にし、反人民的な独裁政治を実施し、人民大衆の民主主義的自由と権利を蹂躙、抹殺し、生産手段を独占して人民大衆を搾取し略奪する。
ここから、搾取階級の階級的支配と抑圧によって喘いでいる人民大衆が、民族解放革命が完遂された後、自己の自主権を実現するために階級解放革命に奮起することは必然的である。
階級解放革命の基本課題は、搾取階級と搾取制度を一掃し、人民大衆を国家と社会の主人となることである。人民大衆は搾取社会を覆し、国家主権と生産手段を自らが掌握することにより、国家と社会の主人としての地位を占めるようになる。階級解放の歴史的課題は社会主義革命を通じて完遂される。資本主義の発達した諸国では、直接に社会主義革命を遂行することにより、階級解放の課題が遂行されるようになる。しかし、資本主義が正常的に発展しなかったので封建的関係が残っている諸国では、人民民主主義革命を遂行し、続いて社会主義革命を遂行することにより、階級解放の偉業が成就される。
人民大衆の自主性を実現する革命運動は次に、人間解放革命を通じてその終極的目的を達成するようになる。
人間解放革命は、人民大衆を自然の束縛と古い思想文化の束縛から完全に解放するための最も高い段階の革命運動である。
人民大衆は民族解放、階級解放が実現された後にも、自然の束縛と古い思想文化の束縛から完全に脱せず、従って自主性を完全に実現できない。従って人民大衆の自主性を実現する革命運動の終極的目的を達成するためには、民族解放革命と階級解放革命を遂行した後、人間解放革命まで遂行すべきである。
人間解放革命の基本課題は、自然を改造し、生産力を発展させ、人々に豊かで豊富な物質生活を保障し、かれらの頭の中から古い社会が残した立ち遅れた思想と文化を一掃し、全社会に革命的な思想と文化が支配するようにすることである。
人間解放の歴史的課題は、思想、技術、文化の3大革命を通じて実現される。3大革命は、搾取階級と搾取制度に反対する闘争とは異なって、暴力的方法ではなく、人間を教育改造して結束させる方法で、思想、技術、文化分野において新しいものを創造し、古いものを克服する方法で行なわれる。人民大衆は人間解放革命、思想、技術、文化の3大革命を通じてのみ、自然の束縛と古い思想文化の束縛からも完全に解放され、自己の自主性を完全に実現するようになる。