「世界が人間によって支配され改造されるというのは、人間との関係において明らかにした世界にたいする新しい見解です」
世界が人間によって支配されるというのは、世界が人間の自主的要求と利益の実現に奉仕する対象となるということである。
人間は物質世界が進化発展する過程に出現した特出した存在であり、その
人間の発生以来、世界は人間に奉仕しはじめた。
人間と周囲世界の間には単なる相互作用ではなく、人間の主導的かつ能動的な作用によって周囲世界が人間に有利に変貌される新たな関係が樹立するようになった。
自然は人間の活動によって人間に奉仕する有利な環境と条件に変貌しはじめ、社会は人間が生き発展する上で有利な社会的条件に変貌して行った。これは人間が発生する以前には見出せない新たな特徴である。
人間による世界の支配は歴史的過程を通じて成される。
歴史発展の一定の段階で人間に奉仕する世界の範囲は制限されている。人間はまだ自然の運動法則を完全に調節統制せず、地震、津波、台風のような自然災害もいまだに防止せずにいる。
歴史発展とともに世界が人間によって絶えず人間に有利に変貌されていくことは必然的である。自然が人間に有利な環境として変化しており、人間が生き発展する上で必要な財産が増え、古い社会秩序が崩壊し新たな社会秩序が確立している。
人間は自らの主動的な活動を展開する過程に絶え間なく高い自主的要求を提起しそれを実現するために闘う。人間がより高い自主的要求を提起しそれを実現するために活動する過程は、世代と世代を継いで間断なく続く。この過程に世界は人間の自主性がより良く実現される方向へ、人間のためにさらに奉仕する方向へと絶えず変貌されていく。
世界が人間の自主性がより良く実現される方向へと発展する過程は、人間によって支配される世界の範囲が広まり、その質的水準がさらに高まる過程である。
人間の主動的活動によって自然と社会が人間に奉仕する方向へと変貌されていくことは今日、さらに明白に実証されている。
自然環境がさらに人間に奉仕していく。
人間は清潔な水と空気、肥沃な土地と山林、穏やかな気候と安定した地質状態など、裕福な物質生活を保証する有利な自然環境にたいする要求をもち、これにしたがって自然環境をさらに自分に奉仕するものとして改造するための積極的な活動を行う。人間の活動が強化されるにつれて人間と無関係に存在していた山と野原、川と海、大気がさらに人間の健康を増進し、自主的かつ創造的な生活を保障することに寄与する有用かつ有益な環境となっていく。
社会がさらに人間に奉仕する方向へと変貌される。
自然とは異なり、人間の発生とともに生まれた社会の歴史的発展は、何らの方向もなしに成されるものではない。社会は人々の活動と密接に結ばれて発展し、その発展方向は自主性を擁護し実現しようとする人々の活動の根本的な目的によって規定される。社会の主人となろうとする進歩的な階級、人々の主動的活動によって社会の進歩的な改造をめざす闘争は絶え間なく高い段階へと発展し、その結果、社会は歴史的に変わる。人民大衆の革命闘争によって人々に自主的かつ創造的な生活を真に保障してくれる人民大衆中心の社会主義社会が出現した。自主性を志向する人々の革命闘争によって正義ある国際関係が確立し、自主化され、平和な新世界が到来するのは必然的である。
自然と社会が歴史的に人間の主動的な活動によって人間にさらに奉仕して行くという意味で、人間が世界の主人であり、世界は人間によって支配されるというのである。