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    われわれは遠からず、金日成(キムイルソン)同志の誕生七〇周年を迎えます。

    金日成同志の誕生七〇周年に際して全国チュチェ思想討論会を開催したのは、きわめて意義深いことです。

    今回の討論会は、金日成同志が半世紀余の長期にわたって革命と建設を導く過程で積み上げた思想的・理論的業績を誇り高く総括し、チュチェ思想の偉大さと正しさをあらためて立証しました。

    チュチェ思想は金日成同志の深奥かつ多方面にわたる思想・理論活動の貴い結実であり、チュチェ思想の創始はその革命業績のうちでもっとも輝かしい地位を占めています。

    金日成同志によって偉大なチュチェ思想が創始された結果、労働者階級と人民大衆には革命勝利の新しい道が開かれ、人民の革命偉業遂行において歴史的な転換がもたらされました。

    金日成同志によって開かれ導かれてきた朝鮮革命の歴史は、偉大なチュチェ思想がりっぱに具現され全面的な勝利をおさめてきた栄光の歴史であります。

    チュチェ思想は朝鮮革命のゆるぎない指導思想となり、われわれの時代の偉大な革命の旗じるしとなっています。

    今日、われわれには全社会をチュチェ思想化する偉業を遂行すべき誇らしい任務が課されています。

    全社会をチュチェ思想化する偉業は、チュチェ思想の旗のもとに切り開かれ勝利してきた朝鮮革命を最終的に完成する歴史的偉業です。

    この偉業を完遂するためには、すべての党員と勤労者がチュチェ思想の真理を深く体得し、徹頭徹尾チュチェ思想にもとづいて思考し行動しなければなりません。

    チュチェ思想で武装しその旗をかかげて進むとき、いかなる難関と試練をも克服し革命と建設で勝利を達成することができるというのは、半世紀を越える革命闘争の歴史をつうじて朝鮮人民の胸に深く刻まれた信念です。

    わたしは、金日成同志の誕生七〇周年をひかえて、全国の社会科学者と理論宣伝活動家が参集し、チュチェ思想とその偉大な勝利について討論するこの機会をかりて、チュチェ思想の原理的問題について述べたいと思います。

    

    

      

    

    進歩的な思想は社会・歴史の発展において重要な役割を果たします。

    人民大衆は進歩的な思想によって導かれるとき、有力な歴史の創造者になることができます。もちろん、進歩的な思想がすべて社会・歴史の発展において必ずしも同一の役割を果たすわけではありません。人民大衆の志向と利益をいかに代弁し、闘争の方途をどれほど正確に示すかによって、それぞれその役割が異なります。労働者階級の出現以前にも、社会の先進的階級の志向を反映する思想はありました。しかし過去の諸思潮は、その歴史的および階級的制約のため、社会発展における役割も制約されざるをえませんでした。労働者階級の革命思想のみが、時代の要請と人民大衆の志向を正しく反映し、人民を革命闘争に立ち上がらせて社会・歴史の発展を力強く促すことができます。

    労働者階級の革命思想は卓越した領袖たちによって創始されます。

    百数十年にわたる共産主義運動の歴史は、労働者階級の領袖たちが革命思想を創始し発展させてきた歴史であり、その具現によって世界が変革されてきた歴史だと言えます。一九世紀の中葉にマルクスとエンゲルスはマルクス主義を創始することにより、闘争舞台に登場した労働者階級の歴史的使命と解放の道を明示して資本にたいする闘争を促進させ、国際共産主義運動の起源を開きました。レーニンは、資本主義が帝国主義の段階に移行した新たな歴史的条件に即してマルクス主義を発展させレーニン主義を創始することにより、帝国主義の牙城を粉砕し、自由と解放をめざす闘争に労働者階級と人民を奮起させ、資本主義から社会主義への移行の端緒を開きました。

    金日成同志は、抑圧されさげすまれてきた人民大衆が自己の運命の主人として登場した新しい時代の要請を深く洞察して、偉大なチュチェ思想を創始することにより、自主性をめざす人民大衆の闘争を新たな高い段階に発展させ、人類史発展の新しい時代、チュチェ時代を開拓しました。

    労働者階級の革命思想は、歴史と革命発展の機の熟した要請を反映して生まれます。

    金日成同志が革命に身を投じた頃、搾取と抑圧に反対する労働者階級と人民大衆の闘争には新たな転換が生じていました。世界で初めて勝利した社会主義の影響力が強まり、労働者階級の革命闘争と植民地および半植民地諸国人民の解放闘争が急速にもりあがっていました。帝国主義者は人民大衆の革命的進出を阻み、かれらの直面した深刻な政治的・経済的危機を免れようと、人民にたいする略奪と弾圧をさらに強化しました。多くの国で革命と反革命間の矛盾と対立が激化し、長いあいだ自主権をじゅうりんされてきた人民大衆が階級的・民族的解放をめざす闘争に立ち上がりました。こうして、革命運動が世界的規模で幅広く、多様性をおびて発展する新しい時代が到来しました。

    新しい歴史的条件のもとで革命を前進させるためには、各国の労働者階級と人民が主人としての自覚をもち、すべての問題をそれぞれの実情に即して解決していかなければなりませんでした。わが国では歴史発展の特殊性と革命の複雑さ、多難さから、この問題はとくに重要な問題となりました。朝鮮革命は、人民大衆が自主的に、創造的に革命の前途を切り開くことをいっそう切実に求めました。

    チュチェ思想は朝鮮革命のこうした実践的要請にもとづいて創始されました。

    革命は、人民大衆の力を発揮させて人民大衆の自主的要求を実現する闘争であり、人民大衆が自分自身を解放する闘争であります。人民大衆は革命思想で武装し、組織された政治勢力として団結してこそ革命で勝利することができます。革命家の任務は、革命の主人である人民大衆のなかに入り、かれらを教育し組織して闘争に立ち上がらせることにあります。革命勢力も人民大衆のなかから育成し、革命闘争で提起される諸問題も人民大衆の知恵と力によって解決していかなくてはなりません。

    しかし、一九二〇年代にわが国の民族解放運動を標榜した共産主義者と民族主義者は、人民大衆のなかに入ってかれらを教育し組織化し、革命闘争に立ち上がらせることは考えず、大衆から遊離してヘゲモニー争いと空理空論に明け暮れ、大衆を団結させるのではなく派閥争いによって分裂させました。

    金日成同志は革命の道を歩みはじめた当初からかれらの誤りを見抜き、かれらとは異なった道、人民大衆のなかに入り大衆に依拠してたたかう真の革命の道を歩みました。そして革命の主人は人民大衆であり、人民大衆のなかに入ってかれらを教育し奮起させるならば、革命を勝利に導くことができるという真理を明らかにしました。これがチュチェ思想の起点の一つです。

    各国における革命は、主人であるその国の人民が責任をもって自主的に、自国の実情に即して創造的に進めなくてはなりません。自主性と創造性は革命運動、共産主義運動本来の要求です。

    チュチェ時代を開いた朝鮮革命は、最初から自主的、創造的に進めることなしには一歩の前進も不可能でした。朝鮮革命は強大な日本帝国主義を相手にし、反帝民族解放革命の課題と反封建民主主義革命の課題を同時に遂行しなければならない困難かつ複雑な革命であり、前人未踏の道を開拓しなければならない困難にみちた革命でした。

    しかも、当時わが国の反日民族解放運動と共産主義運動の内部には事大主義が濃厚に現われ、革命の前途を阻んでいました。かつて国を滅ぼした事大主義と派閥争いの悪弊を踏襲した民族主義者とえせマルクス主義者は、自力で革命をおこなおうとはせず、外部勢力に頼って独立を達成しようと妄想しました。当時、共産主義運動を提唱していた人たちは各自が党派をつくってコミンテルンの承認を得るため奔走し、植民地と半封建社会であったわが国の歴史的条件と具体的現実からかけ離れ、既成理論と他国の経験を機械的に模倣しようとしました。このように事大主義と教条主義の影響が強かったため、革命の前途は打開の余地がありませんでした。

    金日成同志はこうした事大主義、教条主義の禍から深刻な教訓を汲みとり、革命は他人の承認や指示によることなく、自分の信念にもとづき自分が責任をもって進め、革命におけるすべての問題を自主的、創造的に解決すべきだという真理を明らかにしました。これがチュチェ思想のいま一つの起点です。

    金日成同志はこのように、革命闘争の実践的経験と教訓にもとづいて新しい革命思想、チュチェ思想を創始しました。

    金日成同志は一貫して革命実践を踏まえて思想・理論活動を展開し、革命実践の提起する諸問題に解答を与える過程をつうじて革命思想と革命理論を豊かにしました。革命実践にもとづいてこそ、既成理論を自国の革命の利益と実情に即して適用し、新たな真理を探究して新しい思想と理論を生みだすことができます。

    金日成同志は革命活動の初期にすでにマルクス・レーニン主義に通暁していました。しかしながら、マルクス・レーニン主義を朝鮮革命の実践に適用することに止まらず、確固とした主体的立場に立って革命理論の新たな領域を切り開き、革命実践が提起する諸問題を独創的に解明しました。

    金日成同志は頑固な民族主義者とえせマルクス主義者、事大主義者と教条主義者に反対し、新しい革命の道を開拓する闘争の過程でチュチェ思想の真理を発見し、ついに一九三〇年六月、卡倫で開かれた共青および反帝青年同盟の幹部会議でチュチェ思想の原理を明らかにし、朝鮮革命の主体的路線を示したのです。これはチュチェ思想の創始とチュチェの革命路線の誕生を告げる歴史的な出来事でした。

    金日成同志はまだ二〇歳にも満たない若年にして、民族改良主義、左右の日和見主義などさまざまな不純な思想がばっこする混乱のなかで、時代の志向と人民の願望、歴史発展の合法則性を見きわめてチュチェの真理を示し、朝鮮革命の自主的発展の道を開拓しました。

    チュチェ思想は朝鮮革命の実践をつうじてわれわれの時代の革命の指導思想として完成されました。

    革命の指導思想はある時点で一挙に完成されて出現するものではありません。それは時代的・歴史的条件にもとづいて革命闘争の経験を一般化する過程をへて生まれ、長い闘争過程でその真理性が検証され内容が豊富になり、全一的な思想・理論体系に完成されるものです。

    金日成同志は各段階の革命闘争と政治、経済、文化、軍事など各分野の活動を勝利に導く過程で豊富かつ貴い経験をつみ、これを一般化してチュチェ思想をたえず深化発展させました。金日成同志が五〇年有余、苦難に満ちた朝鮮革命の陣頭に立ってその前途を切り開いてきた歴史は、偉大な革命実践をつうじてチュチェ思想を創始し、それを独創的な思想・理論体系に完成させてきた歴史です。

    チュチェ思想はこのように、人民大衆が歴史の主人として登場した新しい時代の要請と豊かな革命闘争の経験にもとづいて出現したがゆえに、われわれの時代の革命の偉大な指導思想となったのです。

    

    

      

    

    チュチェ思想は人間中心の新しい哲学思想です。

    金日成同志が述べているように、チュチェ思想は人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するという哲学的原理に根ざしています。チュチェ思想は人間を本位にして哲学の根本問題を提起し、人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するという哲学的原理を明らかにしました。

    人間があらゆるものの主人であるというのは、人間が世界と自己の運命の主人であることを意味し、人間がすべてを決定するというのは、人間が世界を改造し自己の運命を開くうえで決定的な役割を果たすということを意味します。

    チュチェ思想の哲学的原理は、世界における人間の地位と役割を解明した人間本位の哲学的原理であります。

    金日成同志は、人間は自主性と創造性および意識性をもった社会的存在であることを明らかにしました。

    もちろん人間も物質的存在ではあるが、単なる物質的存在ではありません。人間はもっとも発達した物質的存在であり、物質世界発展の特出した産物です。人間は自然界から脱したとき、すでに特出した存在として登場しました。生命をもつ人間以外のすべての物質は客観的世界に従属し順応して自己の生存を保つが、人間は世界を認識し変革して自己に奉仕させることによって生存し発展するのです。

    人間が世界の主人として特別な地位と役割をになうのは、自主性と創造性および意識性をもった社会的存在であるからです。

    金日成同志は自主性と創造性および意識性が社会的存在である人間の本質的特徴をなすことを明らかにすることにより、人間にたいする新たな哲学的解明を与えました。

    自主性、創造性、意識性は社会的、歴史的に形成され発展する人間の社会的属性であります。世界で社会的関係を結んで生活し活動するのは人間だけです。人間は社会的にのみその存在を保ち、自らの目的を実現していきます。自主性、創造性、意識性は社会的存在である人間に固有なものです。

    人間は自主性をもつ存在、自主的な社会的存在であります。

    自主性は、世界と自己の運命の主人として自主的に生き発展しようとする社会的人間の属性です。自主性ゆえに、人間は自然の束縛をふり払い、社会のすべての従属に反対し、すべてを自己に奉仕するように変えていきます。

    社会的存在である人間にとって自主性は生命です。人間にとって自主性が生命であるということは社会的・政治的生命のことをいうのです。人間は肉体的生命とともに社会的・政治的生命をもっています。肉体的生命が生物有機体としての人間の生命であるなら、社会的・政治的生命は社会的存在としての人間の生命です。

    人間は創造性をもつ存在、創造的な社会的存在です。

    創造性は、目的意識的に世界を改造し自己の運命を開いていく社会的人間の属性です。創造性ゆえに、人間は古いものを変革し、新しいものを創造しながら自然と社会を自己にとっていっそう有用かつ有益なものに改造していきます。

    創造性は自主性と同じく社会的存在である人間の本質的特徴をなします。自主性が主に世界の主人としての人間の地位として表現されるとすれば、創造性は主に世界の改造者としての人間の役割に表現されます。

    人間は意識性をもつ存在、意識的な社会的存在です。

    意識性は、世界と自分自身を把握し改造するすべての活動を規制する社会的人間の属性です。意識性ゆえに、人間は世界とその運動発展の合法則性を把握し、自然と社会を自己の要求に即して改造し発展させていきます。意識性によって社会的存在である人間の自主性、創造性が裏打ちされ、その合目的的な認識活動と実践活動が保障されます。

    すなわち、自主性、創造性、意識性によって人間は世界でもっともすぐれた有力な存在となり、宿命的にではなく革命的に、受動的にではなく能動的に世界に対応し、盲目的にではなく目的意識的に世界を改造するのです。自主性、創造性、意識性をもつ社会的存在である人間は、つまり世界唯一の支配者であり改造者です。

    人間が世界から離れては生きられず、世界のなかにあって生存し活動することはいうまでもありません。

    自然は人間の労働対象であり、人間生活の物質的源泉であり、社会は人間が生活し活動する集団です。自然環境や社会的条件は人間の活動に大きな影響を及ぼします。自然環境の善し悪し、とくに社会の政治体制、経済体制が進歩的か反動的かによって、自然改造と社会発展をめざす人間の活動には有利な条件がつくられることもあり、それが制約され束縛されることもあります。

    しかし、人間は環境や条件にただ順応するのではありません。人間は自らの自主的で創造的で意識的な活動をつうじて自己の要求にそわないものはそうように改め、古くて反動的なものは新しくて進歩的なものに変えながら、自然と社会をたえず改造していきます。これが世界をいっそう人間に奉仕する世界に改造し変革していく人間の活動であり闘争です。

    チュチェ思想は人間の本質的特徴と世界における人間の地位と役割を新たに解明して、人間中心の世界観を確立しました。

    世界が物質からなり、物質の運動によって変化発展することはすでに明らかにされています。チュチェ思想は自然と社会を支配する主人は誰であり、それを改造する力はどこにあるかという問題に解答を与えることによって、世界にたいする見解を明らかにしました。世界が人間によって支配され改造されるというのは、人間との関係において明らかにした世界にたいする新しい見解です。

    チュチェ思想は世界の主人としての人間の地位と役割にもとづき、世界にたいする観点と立場を明らかにしました。

    チュチェ思想によって明らかにされた世界にたいする観点と立場は、世界の主人である人間を中心に世界に対応する観点と立場です。

    人間を中心に世界に対応するというのは、世界の主人である人間の利益にもとづいて世界に対応することを意味します。

    人間は世界の主人であるため、当然人間の利益の見地から世界に対応すべきです。人間が世界を認識し改造するのは、世界のあらゆるものを人間に奉仕させるためです。世界でもっとも貴いものは人間であり、世界には人間の利益以上に大切なものはありません。世界のすべての事物は人間に奉仕する限りにおいてのみ価値をもつのです。したがって人間のためによりりっぱに奉仕させる見地で世界に対応するのは、世界にたいするもっとも正しい観点と立場です。

    人間を中心に世界に対応するというのは、世界の改造者である人間の活動を基本にして世界の変化発展に対応することを意味します。

    世界でもっとも有力な存在は人間であり、世界を改造できるのは人間だけです。世界の改造を求め、世界の改造を実現するのもほかならぬ人間です。人間は客観的法則を応用し、自己の要求に応じて世界を能動的に改造していきます。世界は人間の積極的な活動によってのみ、人間のための世界につくりかえられます。それゆえ、自然と社会を自己の要求に応じて目的意識的に改造していく人間の主動的な活動の見地から世界の変化発展に対応するのは、世界にたいするもっとも正しい観点と立場です。

    世界にたいするチュチェの観点と立場は、人間に世界と自己の運命の主人としての高度の自覚を抱かせ、自主的、創造的、意識的に世界を改造し、自己の運命を開かせる真の革命的な観点と立場です。

    人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するという哲学的原理にもとづくチュチェの世界観は、われわれの時代のもっとも正しい世界観です。

    歴史の発展にともない世界の主人としての人間の地位と役割はさらに強まり、その自主的、創造的、意識的な闘争によって人間の意思に支配される世界の領域は日増しに拡大されています。われわれの時代に至って人民大衆は世界の真の主人として登場し、その闘争によって世界はますます人民大衆に奉仕する世界に変わりつつあります。世界の主人としての人民大衆の地位と役割がかつてなく強まっている今日の現実は、人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するというチュチェの哲学的原理の正しさと生命力をより明白に立証しています。

    

    

      

    

    チュチェ思想は歴史発展と社会革命の合法則性を明らかにした思想です。チュチェ思想によって、歴史を創造し発展させる勤労人民大衆の社会的運動、革命運動の根本原理がせん明されました。

    チュチェ思想によって明らかにされた社会・歴史原理は新しい社会・歴史観、チュチェ史観です。

    

        

    

    歴史の主体にかんする問題は社会発展、革命発展を主体的な観点と立場で理解するための基礎的な問題です。

    金日成同志が述べているように、勤労人民大衆は歴史の主体であり、社会発展の原動力です。

    自然と社会の改造をめざす人民大衆の闘争によって歴史は発展します。歴史が発展するというのは、すなわち歴史の主体としての人民大衆の地位と役割が強まることを意味します。

    社会的・歴史的運動は、自然の運動と区別される固有の合法則性をもっています。もちろん社会的運動も物質的運動という点では自然の運動と共通性をもっています。社会的運動にも物質世界の一般的法則が作用します。しかし自然の運動には主体がないが、社会的運動には主体があります。自然の運動は客観的に存在する諸物質の相互作用によって自然発生的に進行するが、社会的運動は主体の主動的な作用と役割によって生成発展します。

    社会的運動の主体は人民大衆です。人民大衆をぬきにしては社会的運動そのものが存在しえず、歴史の発展について語ることもできません。

    人民大衆は革命と建設の主人であり、自然改造と社会発展の決定的要因です。革命闘争と建設事業はとりもなおさず人民大衆のための事業であり、人民大衆自身の事業です。人民大衆は自らの運命を開くために自力で革命と建設を進めます。革命と建設を要求するのも人民大衆であり、革命と建設を遂行するのも人民大衆です。人民大衆は自らの手で社会のすべての富をつくりだし、自らの闘争によって世界を改造し歴史を発展させます。人民大衆の創造的活動をぬきにしては、社会の変革と進歩について考えることはできません。人類の歴史を考察するとき、各世代が創造し変革した世界の領域は相対的に限られているが、世界を認識し改造する人民大衆の知恵と力には限界がありません。

    自然と社会の改造をつうじて人民大衆の地位は高まり、その力は増大し、また人民大衆の地位が高まり、その力が増大すればするほど社会・歴史発展における人民大衆の主動的作用はますます大きくなります。

    歴史の主体は勤労人民大衆であり、反動的搾取階級は歴史の主体になりえません。勤労人民大衆は歴史を切り開き発展させるが、搾取階級は歴史の前進をおしとどめ、逆転させようとします。結局、搾取階級はすべて歴史の反動であり、革命の対象となります。階級社会の全過程は歴史の創造者と歴史の反動、革命の主人と革命の対象、すなわち勤労人民大衆と反動的搾取階級との鋭い闘争の歴史です。社会はこの闘争をつうじて前進し発展してきました。

    人民大衆は歴史の主体ではあるが、どの時代、どの社会においてもその地位と役割が同一であるわけではありません。過去の搾取社会において、勤労人民大衆は長いあいだ自己の社会的・階級的立場と力に目覚めず、一つの政治勢力として団結していませんでした。こうして勤労人民大衆は少数の支配階級によって無権利を強いられ、搾取され抑圧されて社会の主人としての当然の地位を占めることができませんでした。搾取社会においても、勤労人民大衆は自らの力ですべての物質的・文化的富を創造したが、社会の主人としての地位を占めることができなかったため、歴史を自主的に切り開くことができませんでした。勤労人民大衆は国家権力と生産手段を手中におさめ社会主義制度を樹立してのみ、搾取と抑圧から解放され、社会と自己の運命の真の主人として歴史を意識的に創造していくことができるのです。

    社会主義社会において勤労人民大衆の立場と運命に根本的な変化が生じ、その地位と役割が強まるのは、労働者階級の革命的指導と闘争の結果です。

    労働者階級の指導する社会主義社会の発展過程は、全社会を労働者階級化する過程です。労働者階級の指導のもとに全社会が先進的な労働者階級の姿に完全に改造されるとき、歴史の主体である人民大衆の地位はかつてなく高まり、歴史の前進と革命の発展を促すうえで人民大衆の役割は著しく強化されるでしょう。

    人民大衆が歴史の主体としての地位を占めてその役割を果たすためには、必ず指導が大衆に結びつかなくてはなりません。人民大衆は歴史の創造者ではあるが、正しい指導がなければ、社会・歴史発展の主体としての地位を占め、役割を果たすことができません。

    指導と大衆との結合の問題は、とくに労働者階級をはじめ広範な人民大衆によって遂行される革命運動、共産主義運動において重要な問題として提起されます。共産主義運動そのものが高度の意識的・組織的運動であり、深刻な階級闘争をともなうものであるため、正しい指導なくしては成功裏に進めることはできません。

    革命運動、共産主義運動における指導の問題は、人民大衆にたいする党と領袖の指導の問題にほかなりません。

    労働者階級の党は革命の参謀部であり、労働者階級の領袖は革命の最高指導者です。人民大衆がいかに革命的に意識化、組織化されるか、いかに自己の革命任務と歴史的使命を遂行するかは、党と領袖の正しい指導を受けるか否かにかかっています。

    労働者階級をはじめ人民大衆は党と領袖の正しい指導を受けてこそ、自然と社会を改造する深刻で複雑な革命闘争を力強く展開し、民族解放と階級解放をなしとげ、社会主義・共産主義社会を成功裏に建設し、それを正しく運営することができます。

    金日成同志が述べているように、今日、人民大衆は歴史の主人、革命と建設の主人として登場し、世界をいっそう自己の要求に即して改造しつつあります。

    われわれの時代の歴史発展の中心には、確固として労働者階級をはじめ勤労人民大衆が立っています。長い年月、階級的・民族的抑圧と搾取に苦しんできた数億の人民が自主と独立と社会進歩の道を力強く前進しており、人類の運命と世界の未来を切り開くうえでますます大きな役割を果たしています。われわれの時代のこの壮大な前進運動により、数世紀にわたって勤労人民大衆の膏血によって肥大化し、その運命を左右してきた資本主義、帝国主義は今日なす術もなく破産没落しており、歴史の墓穴に深く陥りつつあります。

    自らの運命の堂々たる主人として登場した人民大衆が、その志向と要求に即して世界を改造し、人類の新しい歴史を創造していくのは、いかなる力によっても阻むことのできない現代史の基本的すう勢です。

    

      

    

    人類の社会発展史は自主性を擁護し実現する人民大衆の闘争史です。

    金日成同志は、すべての革命闘争は人民大衆が自らの自主性を擁護するための闘争であると述べています。

    人類社会の長い歴史をつうじて、人間は社会的従属と自然の束縛から自らを解放するためにたえずたたかってきました。社会と自然を改造し人間を改造する闘争は、すべて人民大衆の自主性を擁護し実現する闘争です。

    社会を改造する闘争は、人民大衆が階級的および民族的従属から脱し、自主的な生活を享受できる社会的・政治的条件をつくる闘争です。人間が自主的に生活し活動するためには、自主性をじゅうりんし抑圧する古い社会制度を粉砕しなければなりません。古い社会制度を一掃し、人びとの自主性を保障する社会制度を確立してこそ、人民大衆は社会と自らの運命の真の主人となり、自主的に生きていくことができます。

    自然を改造する闘争は、人民大衆が自然の束縛から脱し、自主的な生活を享受できる物質的条件をつくる闘争です。人間が生活し発展するためには、必ず自然に作用して物質的富を創造しなければなりません。人間は自然を改造し征服してこそ、自然の束縛から解放され、自主的な生活を享受する物質的条件をつくりだすことができます。

    人間を改造する闘争は、人民大衆が古い思想と文化の束縛から脱し、自主的な生活を享受できる思想的・文化的条件をつくる闘争です。人間は古い思想と文化の束縛から完全に脱し、自主的な思想・意識と健全な文化の所有者となってこそ、自己の運命を自らの手で切り開き、自主的存在として真実に生き活動することができます。

    社会改造、自然改造、人間改造は人民大衆の自主性をめざす闘争の重要な構成部分をなしています。人間は社会的従属と自然の束縛、古い思想と文化の束縛から解放されてはじめて、自主性を完全に実現することができます。自主性をめざす闘争は社会改造、自然改造、人間改造のすべての領域で全面的に進められなければなりません。

    人民大衆の自主性をめざす闘争で第一義的な問題となるのは、社会的、政治的に自主性を実現することです。

    人間は社会的存在であるため、まず社会的、政治的に自主性が保障されなければなりません。社会的・政治的自主性の実現は、人間の自然の束縛からの解放と思想的・文化的発展の達成において鍵となる問題です。人民大衆が社会的・政治的従属化にある状態では、生産力の発展をもたらしてもその恩恵をこうむることができず、反動的な思想と文化の束縛から脱することもできません。

    階級社会の発生以来、人類社会の全歴史は、なによりも人民大衆の社会的・政治的自主性の実現をめざす社会革命の歴史です。社会革命をつうじて人民大衆の運命が開かれ、社会が発展してきました。

    歴史上、自主性をめざす被搾取勤労大衆の最初の闘争と言える奴隷暴動、そして中世紀における農民の反封建闘争によって奴隷制度や封建制度が崩壊したのは、勤労人民大衆の自主性をめざす闘争の前進を意味しました。しかしそれらは、人民大衆を束縛していた奴隷の鉄鎖が封建の鎖に、さらには資本のくびきにとって代わっただけで、階級的支配と抑圧そのものは廃絶できませんでした。人類社会史において資本主義は自主性への人民大衆の志向と要求を踏みにじる最後の搾取制度であり、階級的支配と民族的抑圧を結合した横暴な抑圧制度です。

    資本主義制度の一掃と新たな社会主義制度の樹立は、自主性をめざす革命闘争の発展における歴史的な転換を意味します。社会主義制度の樹立により、自主性への人民大衆の志向と要求をじゅうりんし抑圧するすべての搾取階級と搾取制度が一掃され、人民大衆が自己の手中に権力と生産手段を掌握し、自主的な生活を十分に享受できる条件がつくられます。

    人民大衆の自主性をめざす闘争では、社会改造とともに自然改造と人間改造もまた重要な歴史的課題として提起されます。

    人民大衆は人類社会発展の全期間にわたって、自然の束縛から脱して思想的・文化的発展をとげるためにたえずたたかってきました。

    人類社会のれい明期には、人間の創造的エネルギーも弱く、思想・文化の水準もきわめて低いものでした。人民大衆は長年の困難な闘争をつうじて自然を征服する力を培い、知識を蓄積し、生産力を発展させると同時に、自らの思想・意識水準、文化水準をたえず高めてきました。人類社会の到達した現代科学と技術および先進的思想と文化は、すべて人民大衆による歴史的闘争の結実であります。

    自然改造と人間改造の課題、換言すれば人民大衆を自然の束縛と古い思想・文化の束縛から解放し、自然を支配する有力な存在、革命的な思想と文化の真の所有者につくりかえる歴史的課題は、勤労人民大衆が社会の主人となった社会主義のもとでのみ前面に提起され、りっぱに実現します。自主性をめざす闘争において社会制度の革命的改造の問題がすでに解決された社会主義のもとでは、社会的抑圧から解放された人民大衆を自然の束縛と古い思想・文化の束縛から解放する自然改造、人間改造が重要な問題となります。社会主義制度をたえず強化発展させ、それにもとづいて自然改造と人間改造を全面的におし進めるとき、人民大衆の自主性はすべての分野でより完全に実現するようになります。

    今日、人民大衆の自主性を擁護する闘争は国際的性格をおびています。自主性を抑圧する帝国主義勢力が国際的に連合している以上、帝国主義の支配と抑圧に反対し自主性を擁護する闘争もやはり、国際的なものにならざるをえません。帝国主義によって独立と自主権をじゅうりんされ、植民地的奴隷の運命を強いられてきた昨日の被抑圧民族と人民が、歴史的地位と利害関係の共通性から、帝国主義に反対し自主性を擁護する一つの闘争戦線に結ばれています。自主性を擁護する世界のすべての国、すべての民族と人民は反帝・自主の革命の旗のもとにかたく団結し、共同でたたかってこそ、帝国主義者によってつくられた不平等で矛盾にみちた世界秩序を打破し、国家と民族の自主性と平等にもとづく新しい国際関係を確立することができます。

    長期にわたってたえまなく展開されてきた自主性をめざす人民大衆の闘争は、社会主義・共産主義建設をつうじてその最終的目的を実現します。社会主義・共産主義をめざす闘争は、人民大衆の自主性をめざす闘争のもっとも高い段階であります。社会主義・共産主義をめざす闘争は人類社会で人間による人間の搾取、階級による階級の抑圧、国家による国家の支配に永久に終止符をうち、歴史的に引き継がれてきた旧社会のあらゆる遺物を一掃し、その束縛から人間を最終的に解放する闘争です。共産主義社会では、人民大衆が社会と自然の主人、自己の運命の真の主人として完全に自主的な生活を享受するようになるでしょう。

    自主性を守るのは社会的人間の絶対的な要求であり、奪うことのできない基本的権利です。自主性を生命とする人間が自主性の侵害に反対してたたかうのは当然のことです。人民大衆は自主性のために圧制者に抗して革命闘争に立ち上がるのであり、また自主性のために社会主義・共産主義建設に創造的知恵と力をつくすのであります。

    自主性を擁護するためには、革命と建設で自主的立場をかたく守らなければなりません。

    金日成同志が述べているように、自主的立場は革命と建設で守るべき根本的立場であります。自主的立場を守るのは、自主性のための闘争である革命闘争そのものの要求です。

    自主的立場は徹底した革命的立場、労働者階級的立場です。労働者階級は自力で自らを解放し、自己の運命の主人となるためにたたかうもっとも自主的な階級であり、社会主義・共産主義偉業は人民大衆の自主性の完全な実現をめざす労働者階級の歴史的偉業です。自主的立場に反するいかなる立場も労働者階級の立場、人民大衆の立場とは縁もゆかりもなく、それはいずれも社会主義・共産主義偉業に有害なものです。

    自主的立場は革命と建設の主人としての権利の行使によって表現されます。これは、人民大衆が革命と建設で提起されるすべての問題を独自の判断と決心によって、自己の利益にかなうように処理することを意味します。革命と建設におけるすべての問題を処理できる権限は、もっぱら主人であるその国の人民にのみあります。各国の革命と建設におけるすべての問題は当然、その国の人民の判断と決心にしたがって処理されるべきです。そうしてこそ各国の人民は自らの利益を守り、自己の意思と要求を貫くことができます。各国の人民は外部からのいかなる圧力や干渉も許すべきではありません。他人の抑圧や束縛を受けて自己の問題を自分自身の決心通り処理できないのは、主人としての権利を奪われることを意味し、他人の意思にしたがい自己の利益に反して行動するのは、主人としての権利を放棄することを意味します。

    自主的立場は主人としての責任をまっとうすることに表現されます。これは、人民大衆が革命闘争と建設事業で提起されるすべての問題を主人にふさわしく自己の責任のもとに、自力で解決していくことを意味します。革命と建設は人民大衆自身の事業であるため、革命と建設におけるすべての問題は当然、自力更生の原則にもとづき、自力で解決すべきです。革命と建設において他人の援助を受けることもあるが、基本はあくまでも自分自身の力であります。自らが遂行すべきことを他人に任せたり、他人のおかげをこうむって自らの問題を解決しようとするのは、主人としての責任を回避し、主人としての立場を放棄することを意味します。

    自主的立場を堅持してこそ、いついかなる場合にも独自の定見と信念、自力更生の革命精神をもって自国の革命にかんする問題、自民族の問題を解決し、革命と建設を成功裏に遂行していくことができます。

    各国の人民は侵略と従属に反対して自己の自主性を堅持するばかりでなく、他国人民の自主性をじゅうりんする帝国主義と支配主義にも反対してたたかうべきです。自己の自主性の侵害に反対するだけでなく、他人の自主性のじゅうりんと抑圧にも反対してこそ、自主性を擁護する正しい立場に立つものと言えます。

    自主性をじゅうりんする帝国主義と支配主義に反対し、社会主義・共産主義偉業の勝利をめざす人民大衆の革命闘争はたえず強化発展しています。自主性を求め、自主の道に進む歴史発展の流れは、いかなるものもおしとどめることができません。今日に限らず末来の時代も、もっぱら自主性をめざしてたたかう人民のものです。

    

      
    

    社会的・歴史的運動は自然と社会を改造し変革する人民大衆の創造的運動です。

    自主的な生活をめざす人民大衆の活動は創造的性格をおびます。人間は自己の生活上の要求を創造的活動をつうじて実現していくのです。

    人間の創造的活動の対象は自然と社会です。人間は自己をとりまく自然と自らの住む社会を改造する活動をつうじて新たな物質的・文化的富をつくりだし、新しい制度、新しい生活を創造します。

    自然と社会を改造し変革する創造者は人民大衆です。人民大衆は古いものをなくし新しいものを創造することを求め、自然と社会を改造する創造的能力をもっています。

    人類の歴史は人民大衆の創造の歴史です。

    人類史が始まって以来、人民大衆は創造的労働によって自然を征服し、自己の生存と発展に必要な富をつくりだし、古いものを変革する創造的活動によって社会の進歩を促してきました。人民大衆のたえまない創造的活動によって社会は発展してきました。

    自然の征服と社会の進歩をめざす人民大衆の創造的活動は闘争をともないます。創造の過程はとりもなおさず闘争の過程であり、闘争をぬきにした新しいものの創造は考えられません。とくに古い社会制度を新しい社会制度に変え、人民大衆の社会的解放を達成する過程は激しい階級闘争の過程です。革命は闘争に始まり闘争に終わります。古い制度、古い生活を温存しようとする勢力は自らその地位を譲ろうとはしません。古い勢力を一掃する闘争をつうじてのみ、新しい制度、新しい生活の創造は可能です。結局、人類が歴史の全過程にわたって達成したすべての進歩と変革は、人民大衆の創造的闘争の結実です。

    人民大衆の創造的闘争の過程は、自分自身をさらに有力な存在に育成する過程です。

    人民大衆は自然を改造し社会を発展させながら、同時に創造的能力を培ってきました。社会生産力発展の歴史は自然を征服する人間の創造的エネルギーの成長の歴史であり、社会革命の歴史は社会を変革する人民大衆の革命的能力の増大の歴史です。

    人民大衆の創造的能力の成長にともない、社会的・歴史的運動はさらに発展します。

    労働者階級によって展開される共産主義運動は、人類史上もっとも高い形態の創造的運動です。共産主義運動は、歴史上に存在したすべての階級社会と根本的に異なる人類の最高の理想社会、人民大衆の自主性と創造性が全面的に実現する社会を建設する運動です。人民大衆の創造力も労働者階級の革命運動においてもっとも高く発揚されます。階級社会の全期間、支配階級によって創造的活動を抑制されてきた勤労人民大衆は、労働者階級の革命運動、共産主義運動によってはじめて世界を自らの意思と要求に即して改造し、自主的に自己の運命を開いていく歴史の真の創造者となります。

    人民大衆の創造的活動である革命運動は、自然と社会を改造する闘争においてつねに創造的立場を堅持することを求めます。

    創造的立場を堅持するのは、革命運動を勝利に導く不可欠の条件です。創造的立場を堅持してこそ、人民大衆は革命と建設の主人としての地位を正しく守り、主人としての役割を果たすことができます。

    創造的立場は自然と社会の改造者、自らの運命の開拓者として、人民大衆が当然堅持すべき立場です。創造的立場を堅持することなしには、自然と社会を自己の意思と要求に即して改造することも、自己の運命を自らの手で開いていくこともできません。創造的立場を堅持するのは、すべての問題を革命の要求と人民大衆の利益にそって、そして自力で解決していく確固たる保障です。

    金日成同志が述べているように、創造的立場は革命と建設において依拠すべき根本的方法です。

    革命運動は人民大衆の創造的知恵と力に依拠し、それを高度に発揮させることを求めます。人民大衆は革命の主人であり、基本原動力であり、つきることのない創造的知恵と力の所有者です。人民大衆の創造的知恵と力に依拠すれば、客観的世界を正しく認識し、すべての問題を実情に即して解決し、自然と社会を成功裏に改造していくことができます。創造的立場は、人民大衆の創造力を十分に発揮させて革命と建設を主動的におし進め、前進途上の難関を大衆的闘争によって克服し、継続革新、継続前進する方法です。

    革命運動はつねに、多様かつたえまなく変化する具体的な現実のなかで進められます。革命運動はあらゆる図式とドグマを排し、他人のものを機械的に模倣する古い観点に反対します。図式的な観点とドグマ的な思考方法に頼れば創意性が抑制され、たえず変化する多様な現実を正しく認識することができず、革命と建設の科学的な方途を見出すこともできません。具体的現実をしっかりと踏まえ、すべてのことに創造的に対応する立場に立ってこそ、自然と社会を改造する正しい方途を見出し、それを巧みに具現していくことができます。創造的立場は、ドグマ的な態度を排し、独自の考え方で現実を生き生きと具体的に把握し、すべての問題をそれにふさわしく解決していく方法です。

    創造的立場は、人民大衆が歴史の主人として登場し、革命運動が深化発展したわれわれの時代の要請をもっとも正しく実現させる革命的な方法です。われわれの時代は、革命と建設における人民大衆の役割を最大限に高め、すべての問題を創造的に解決していくことを求めています。創造的立場は、今日の時代と革命発展の新たな要請にかなった革命の戦略と闘争方針を科学的に規定し、人民大衆の創造力をたえず高く発揮させて革命の勝利をゆるぎなく保証します。

    

       

          人民大衆の自主的な思想・意識である

    

    革命は人民大衆の意識的な闘争によって推進され勝利します。

    金日成同志は、革命闘争において人民大衆の自主的な思想・意識が決定的役割を果たすという原理を新たに提示しました。

    思想・意識は人間のすべての行動を規制し調節、統制します。

    もともと意識性は人間を世界でもっともすぐれた有力な存在にする、もっとも高級な属性です。意識は人間の身体器官のうちでも一番発達した脳髄の高級な機能です。脳髄は人間の生命活動において中枢の役割を果たし、脳髄の機能である意識は人間のすべての行動を指図します。

    思想・意識は人間の要求と利害関係を反映するがゆえに、その活動においてもっとも積極的な作用をします。思想・意識の規制と調節をぬきにしては、人間の自主的で創造的な活動について考えることができません。

    人間が自主的で創造的な存在となるためには、自主的な思想・意識をもたなくてはなりません。自主的な思想・意識は自らの運命の主人としての自覚であり、自らの運命を自ら開こうとする意志です。人間は自主的な思想・意識をもつとき、自然を征服する意識的な活動をおこない、自主性を侵害し、じゅうりんする圧制者と積極的にたたかうことができます。世界を科学的に認識し積極的に改造していく人間の活動は、ほかならぬその意識性の発現であり、自然と社会を変革するたたかいにおける人間の役割は結局、その思想・意識の役割です。

    自主的な思想・意識は、人民大衆の自主性をめざす革命運動において決定的な役割を果たします。

    革命運動はすべて意識的な運動です。革命運動は人びとを先進的思想で目覚めさせることにはじまり、先進的思想で武装した人民大衆の力によって勝利します。

    思想・意識は革命と建設において果たす人間の役割を規制する決定的要因です。

    思想・意識は革命運動に参加する人間の行動の階級的性格を規制します。階級社会においては超階級的思想などありえず、人間の思想・意識において基本をなすのは階級意識です。階級闘争にたいする人間の態度と立場は階級意識によって規制されます。もちろん人間の活動は社会的・階級的地位に基礎をおき、それによって制約されます。しかし、社会的・階級的地位はあくまでも思想・意識をつうじて人間の行動に影響を及ぼします。階級社会において人間がどの階級の利益を擁護してたたかうかは、当人がどの階級の思想をもつかによって決定されるのです。先進的階級の思想、自主的な思想・意識をもつときにのみ、正しい階級的立場に立ち、革命の勝利をめざしてたたかうことができます。

    革命運動で発揮される人間の意志と闘争力も思想・意識によって規制されます。人間がいかに強い意志と力を発揮するかは思想の問題です。自主的な思想・意識で武装した人間であってこそ、革命闘争で断固たる立場と態度を取り、強靭な意志をもって革命に積極的に参加し、あらゆる難関と試練にうちかち最後までたたかうことができます。

    大衆の革命的能力は無尽蔵であるが、思想的に目覚めなければそれは高度に発揮されるものではありません。思想的に目覚めていない大衆は、搾取され抑圧されても革命闘争に立ち上がれず、自然と社会を自己の要求に即して改造していくことができません。階級的利害関係に目覚めた大衆であってこそ、その革命的能力を最大限に発揮し、革命の勝利を保障することができます。

    思想・意識の役割は革命運動の発展にともない、たえず高まります。

    革命運動のもっとも高い段階である共産主義運動は、その本質からして人びとの高度の意識性を要求します。社会主義・共産主義社会は人民大衆によって目的意識的に創造される社会です。労働者階級が政権を掌握し社会主義制度を樹立した後、社会主義・共産主義建設過程における思想・意識の役割は比べようもなく強まります。資本主義は飢餓とムチの規律に頼るが、社会主義・共産主義は人間の高度の自覚をよりどころにします。もちろん、過度的社会である社会主義のもとでは統制が必要です。しかし、社会主義・共産主義建設の進捗過程で旧社会の遺物が一掃されれば、それだけ人間の自覚のもつ意義はますます大きくなります。社会主義・共産主義は人間の思想・意識の役割を全面的に強めうるすべての条件を保障します。社会主義社会では労働者階級の先進思想が全社会を支配します。資本主義は人間の思考や行動までも黄金の付属物にかえるが、社会主義・共産主義は人民大衆を社会の真の主人にかえ、その結果として大衆の革命的熱意と創造的積極性を高度に発揮させます。

    社会主義・共産主義をめざす革命闘争において思想・意識の果たすきわめて大きな役割は、労働者階級の革命思想そのものの特徴とも関連しています。

    社会発展における思想・意識の役割は、その階級的性格と内容に依存します。搾取階級の反動思想は社会の発展を阻み、進歩的階級の先進思想は社会の発展を促します。もっとも自主的な階級である労働者階級の革命思想は、歴史上のどの先進思想とも対比できない強力な革命的作用をします。労働者階級の革命思想は社会の発展法則と人民大衆の志向を科学的に反映しているがゆえに、社会発展の大きな物質的エネルギーに転化します。労働者階級の思想は現実を認識し変革して未来をつくる武器です。歴史の前進運動を妨げ、腐り切った古い制度を弁護する搾取階級の反動思想とは異なり、労働者階級の革命思想は歴史の前進運動を促進し導く使命を遂行します。

    革命運動は意識的な運動であるため、革命闘争と建設事業においてはつねに人間の思想を基本としてとらえていくべきです。人間の思想を基本にとらえていくのは、革命と建設で堅持すべき重要な原則です。

    革命と建設で人間の思想を基本としてとらえていくというのは、思想的要因に決定的な意義を見出し、思想・意識の役割を高めてすべての問題を解決していくことを意味します。

    思想的要因に決定的意義を見出すのは、革命運動発展の合法則的要求です。革命運動では物質的要因も大きな役割を果たします。しかし、物質的条件がそなわったからといって、革命が自然に起こるのではありません。物質的条件をいかに利用するかは、人間の意識的な活動にかかっています。物質的条件そのものが、人間の活動いかんによってその成熟度を早めたり、遅らせたりするものです。革命は、革命家と人民大衆の積極的な闘争をつうじてのみ前進します。もともと革命闘争は、すべての条件がととのってから起こるものではなく、有利な環境のもとでのみ進められるものでもありません。

    すべての条件が成熟するのをあぐらをかいて待つのは、革命を放棄しようとすることと変わりありません。したがって革命闘争と建設事業では思想的要因に第一義的な意義を見出し、それをよりどころにしてすべての条件を積極的に成熟させていくべきです。

    人間の思想・意識を高めてすべての問題を解決するのは、共産主義者本来の方法です。人民の自由と幸せのためにたたかう共産主義者は、人びとを思想的に目覚めさせ、意識化し、すすんで闘争に立ち上がらせて革命の勝利を達成し、その気高い使命をまっとうします。共産主義者には全人民を目覚めさせ奮起させる強力な思想的武器があります。ブルジョアジーもその思想の伝播に努めるが、ブルジョア思想は人民大衆の利益とは根本的に相容れないため、大衆の思想になりえません。ただ勤労人民の利益を擁護する労働者階級の思想のみが全人民に受け入れられ、全社会を全一的に支配することができます。

    人びとの政治的・思想的自覚を呼び起こし、すべての問題を解決していくのは、革命と建設の勝利の確固とした裏付けです。人民大衆の高度の革命的自覚に依拠するとき、革命闘争と建設事業を強力に推進し、不利な条件を克服して革命の勝利を早めることができます。

    

    

    

      
    

    チュチェ思想の指導的原則は、党および国家活動、革命と建設のすべての分野で主体性を確立するための指針です。これには、自主的立場と創造的立場を堅持し、思想・意識の役割を高めて、革命と建設を成功裏に遂行するための根本原則が明示されています。

    革命と建設にチュチェ思想を具現するためには、必ずチュチェ思想の指導的原則を堅持しなければなりません。

    

        

    

    チュチェ思想の要求通り革命と建設を進めるためには、党および国家活動で自主性を堅持し、具現しなければなりません。

    金日成同志は自主性を具現するための原則として、思想における主体、政治における自主、経済における自立、国防における自衛の原則を示しました。主体、自主、自立、自衛の原則は、思想・政治・経済・国防分野に自主性を具現するための指導的原則であります。

    

          (1) 思想における主体

    

    思想における主体性の確立は、自主性をめざす人民大衆の革命闘争で第一義的な要求です。革命と建設は人びとの意識的な活動であるため、思想における主体性の確立なくしては、政治、経済、国防など、すべての分野の主体性の確立は不可能です。

    思想において主体性を確立するというのは、革命と建設の主人としての自覚をもち、自国の革命を中心にすえてすべてのことを思考し、実践し、すべての問題を自らの知恵と力で解決していく観点と態度をとることを意味します。

    各国の党と人民は自国の革命の主人であり、自国の革命をりっぱに遂行することはその国の党と人民の基本的任務です。世界革命もすべての国が革命をりっぱに遂行し、それにもとづいて互いに支持し協力することによって成功裏に進められます。したがって各国の党と人民は、思想において主体性を確立し、自国の革命と建設を主人らしい立場で責任をもって遂行しなければなりません。

    思想において主体性を確立するためには、労働者階級の革命思想と、自党の路線と政策で武装しなければなりません。

    労働者階級は自主的な階級であり、その革命思想は自主的な思想です。労働者階級の革命思想で武装してこそ、革命の主人としての自覚をもち、いかに困難で複雑な状況下においても、革命と建設を成功裏に遂行することができます。

    各国における革命と建設の指針は、労働者階級の革命思想を具現したその国の革命的党の路線と政策です。自党の路線と政策で武装し、それを思考と実践の基準にしてこそ、自国人民の要求と自国の実情に即して革命と建設を進め、革命の主人としての責任をまっとうすることができます。

    われわれにとって思想において主体性を確立するというのは、とりもなおさずチュチェ思想とその具現である党の路線と政策で武装し、党の唯一思想体系を確立することを意味します。全党と全社会に唯一思想体系がみなぎってこそ、思想において主体性が確立されたと言えます。

    思想において主体性を確立するためには、自国のものに精通しなければなりません。

    自国のものをよく知ってこそ、革命と建設におけるすべての問題を自主的に、自国の実情に即して解決し、革命と建設を自国人民の志向と要求に即して進めることができます。またそれでこそ、自分の祖国と人民を熱烈に愛し、愛国的献身性と革命的熱意を高度に発揮することができます。

    朝鮮人は、朝鮮の歴史と地理、経済と文化、朝鮮人民の風習をよく知り、とくにわが党の政策と革命歴史、革命伝統を十分に知るべきです。こうしてはじめて主体性の確立した真の朝鮮の愛国者、朝鮮の共産主義者になれます。

    思想において主体性を確立するためには、高度の民族的自尊心と革命的自負をもたなければなりません。

    自民族が他民族に劣らないという民族的自尊心、革命を進める人民としての誇りと自負なくしては、自らの信念で自主的に生きることはできず、民族の独立と尊厳を守り、苦難の革命闘争で勝利することができません。民族的自尊心と革命的自負の強い民族は不敗であり、そうでない民族は無力です。長いあいだ他国によって抑圧されてきた小国の人民であるほど、強い民族的自尊心と革命的自負をもつことが必要です。かつての帝国主義の植民地的同化策動と民族文化抹殺政策によって、民族虚無主義と事大主義が根強く残っている諸国では、民族的自尊心と革命的自負を高めることにとくに力を入れるべきです。

    われわれは、全人民が聡明で勇敢な朝鮮民族としての自尊心、とくに偉大な金日成同志を仰いで革命をする人民としての誇りと自負を胸に深くいだくようにすべきです。

    思想において主体性を確立するためには、民族文化を発展させ、大衆の文化・技術水準を高めなければなりません。

    民族的形式に革命的・社会主義的内容がもられた文化、自国人民の感情に合い、労働者階級的線の明確な主体的文化を建設すれば、人びとの思想・精神生活を健全にし、思想において主体性をりっぱに確立することができます。社会主義的民族文化の健全な発展のためには、帝国主義の文化的浸透を徹底的に防ぐ一方、民族文化遺産にたいする復古主義的・虚無主義的傾向を排撃し、そのすぐれた伝統を正しく継承し発展させ、外国の文化のうちからも自国人民の感情に合致した進歩的なものは批判的に取り入れるべきです。

    また、科学・技術を極力発展させ、大衆の文化・技術水準を高めることによって、勤労者を自然と社会の主人に育成し、科学・技術の面で他国を仰ぎ、他国に依存しようとする思想を根こそぎにし、主体性を確立することができます。

    思想において主体性を確立するためには、事大主義をはじめすべての古い思想に反対しなければなりません。

    思想における主体性の確立は、それ自体が人間を古い思想の束縛から脱却させる思想解放であり、新しいチュチェの世界観を確立するための思想革命であります。思想において主体性を確立するためには、それに反するあらゆる古い思想を排撃し、とくに事大主義を根絶しなければなりません。

    事大主義は大国や先進国に仕え、崇拝する奴隷的屈従思想であり、自国と自民族を見下げべっ視する民族虚無主義思想です。事大主義に毒されれば他国をあがめ、他国に追随するため、他国が修正主義に走れば自分も修正主義に走り、他国が教条主義に陥れば自分も教条主義に陥るようになります。

    金日成同志が述べているように、人が事大主義に走れば愚か者になり、民族が事大主義に染まれば国を滅ぼし、党が事大主義に陥れば革命と建設を失敗させます。

    とくに今日、もっとも有害で危険なのはアメリカにたいする事大主義です。恐米・崇米思想として現われているアメリカにたいする事大主義は、人民の革命闘争にはなはだしい害悪を及ぼしています。アメリカにたいする事大主義思想の弊害は今日、南朝鮮に集中的に現われています。アメリカ帝国主義侵略者とその手先によって植え付けられたアメリカへの事大主義思想は、南朝鮮で人民大衆の民族的・階級的自覚を麻痺させ、朝鮮民族の貴重な文化遺産と良風美俗を踏みにじるもっとも有害な思想毒素となっています。南朝鮮人民のあいだで恐米・崇米思想に反対して民族自主意識を高める闘争を強化することなしには、南朝鮮革命の勝利も祖国の自主的統一も達成できません。

    事大主義に反対し主体性を確立する闘争は、革命の運命を左右する深刻な問題です。われわれは事大主義に反対し、思想において主体性を確立する闘争をひきつづき強化して、朝鮮革命の最終的勝利をゆるぎなく保障するでしょう。

    

          (2) 政治における自主

    

    政治は社会生活で決定的な意義をもつ分野です。政治における自主をぬきにしては、いかなる自主性についても語ることはできません。思想における主体も、まず政治における自主に表現され、経済における自立、国防における自衛も、政治における自主によって裏打ちされます。

    政治において自主性を堅持するというのは、自国人民の民族独立と自主権を固守し、自国人民の利益を擁護し、自国人民の力に依拠する政治をおこなうことを意味します。

    金日成同志が述べているように、政治的自主性は自主独立国の第一の基準であり、第一の生命です。いかなる民族であれ、政治的自主性を堅持しなければ、独立と自由を保障することも、幸福と繁栄をもたらすこともできません。革命闘争はなによりも政治的自主性をめざす闘争です。革命と建設のすべての問題は直接政治に依存しているため、革命偉業の運命は結局、政治的自主性によって左右されると言えます。

    政治において自主性を保障するためには、人民の政権を樹立しなければなりません。

    人びとの自主的権利は国家権力に集中的に表現されます。したがって労働者階級と人民大衆が自主性を完全に実現するためにはまず、政権の主人とならなければなりません。労働者階級と人民大衆は権力を掌握し、国家と社会の主人となってこそ、政治的自主性を実現し、自主的で創造的な生活を営むことができます。

    政治において自主性を保障するためには、主体的な政治勢力をかためなければなりません。

    政治勢力は革命勢力の基本をなします。主体的な政治勢力をかため、それに依拠することによってのみ自主権を獲得、固守し、自主的な政治を保障することができます。主体的な政治勢力をかためるためには、革命の指導力量である党を強化し、労働者階級を中核とする労農同盟にもとづいた全人民の統一団結をなしとげなければなりません。ここでなによりも重要なのは、全人民を党と領袖のまわりにかたく団結させることです。党と人民は一つの政治勢力としてかたく統一団結するとき、底知れない力を発揮し、革命と建設で勝利することができるのです。

    政治において自主性を保障するためには、自己の指導思想をもち、自らの決心によって路線と政策を独自に決定し、貫徹しなければなりません。

    政治において基本は政策を決定し実行することです。すべての路線と政策を自主的に決定し実行しなければ、自主的な政治だとは言えません。政治で他国の圧力や干渉を受け入れたり、他国の指揮棒によって動くならば原則性と一貫性は堅持されず、結局は革命と建設を失敗させます。

    朝鮮労働党は金日成同志の賢明な指導のもとに、チュチェ思想を唯一の指導思想として、すべての路線と政策を朝鮮人民の利益と国の現実に即して自主的に決定し実行したため、革命と建設でつねに輝かしい勝利を達成しました。

    政治において自主性を保障するためには、対外関係で完全な自主権と平等権を行使しなければなりません。

    党と国家の自主性は結局、対外関係に表現されます。対外的に完全な自主権と平等権を行使するのは、政治的自主性のための根本問題となります。自主権はすべての党、すべての国家と民族の神聖な権利です。世界には大きな党と小さい党、大国と小国、経済的に発達した民族と立ち後れた民族はあっても、すべての党、すべての国家と民族はともに平等かつ自主的です。誰であれ他国の自主権を侵してはならず、また自己の自主権を侵されてもなりません。

    自主性は国際主義と矛盾しないばかりか、それを強化する基礎となります。自国の革命を離れては世界革命について考えられないように、自主性を離れた国際主義はありえません。国際主義的団結はもともと自発的かつ平等的であるべきものです。自主性にもとづくときにのみ、国際主義的団結は自発的かつ平等的なものとなり、真実で強固なものとなります。

    わが党は帝国主義に反対し、植民地民族解放運動と国際労働運動を支持し、社会主義と共産主義に向かってひきつづき前進し、内政不干渉、相互尊重、平等と互恵の原則を守る基礎のうえで社会主義諸国と国際共産主義運動の団結を強化する方針を堅持しています。また、わが国は領土保全と主権の尊重、不可侵、内政不干渉、平等と互恵の原則にもとづいて非同盟諸国および新興諸国と団結し、われわれに友好的なすべての国と協力する方針を堅持しています。

    われわれは今後とも対外関係で自主権と平等権を固守し、自主性と国際主義を結合させる原則を堅持するでしょう。

    

          (3) 経済における自立

    

    経済は社会生活の物質的基礎です。経済的に自立してこそ、国の独立を強固にして自主的に生活し、思想における主体、政治における自主、国防における自衛をゆるぎなく保障し、人民に豊かな物質・文化生活を享受させることができます。

    経済における自立の原則を貫くためには、自立的民族経済を建設しなければなりません。

    自立的民族経済を建設するというのは、他国に従属せず独り立ちできる経済、自国人民に奉仕し、自国の資源と人民の力によって発展する経済を建設することを意味します。このような経済を建設すれば、国の天然資源を合理的かつ総合的に利用して生産力を急速に発展させ、人民生活のたえまない向上をはかり、社会主義の物質的・技術的基盤を強固にきずき、国の政治的・経済的・軍事的威力を強化することができます。また国際関係において政治的、経済的に完全な自主権と平等権を行使し、世界の反帝・自主勢力と社会主義勢力の強化に寄与することができます。とくにかつて帝国主義の支配と略奪によって経済的、技術的に立ち後れていた国ぐににおける自立的民族経済の建設は、死活の問題として提起されます。これらの国では自立的民族経済を建設しなければ、帝国主義者の新植民地主義政策を退けてその支配と搾取から完全に脱することはできず、民族的不平等を一掃して社会主義に向けて力強く前進することもできません。

    自立的民族経済を建設するためには、経済建設において自力更生の原則を堅持しなければなりません。

    自力更生は、自力で革命をあくまで遂行する共産主義者の革命精神であり、闘争原則であります。革命と建設の他のすべての活動と同じく、経済建設においても自らの力に確信をもち、それに依拠しなければなりません。自らの力にたよってねばり強くたたかう人民は、いかに困難なことでもなしとげますが、自らの力に確信がもてず他国に依存する人民は、なにごともりっぱになしえません。自力更生の原則で自国人民の力と国内資源を活用し、自らの資金と技術に依拠すれば、経済を主導的に高い速度で発展させ、あらゆる難関を克服して国の隆盛と繁栄をもたらすことができます。

    自立的民族経済を建設するためには、経済を多方面的かつ総合的に発展させなければなりません。

    社会主義的自立経済は、営利を目的とする資本主義経済とは異なり、あくまでも国と人民の需要を満たすことを目的とします。したがって自立的経済は当然、国の富強と人民生活の向上に必要な重工業および軽工業製品と農業生産物を自給自足できるよう、多方面的かつ総合的な発展をとげなければなりません。また、このような経済を建設してこそ、経済を強固な土台にもとづいて安全かつ急速に発展させることができます。

    わが国の実践的経験が示しているように、多方面的かつ総合的に発達した自立的経済を建設するためには、重工業を優先的に発展させながら、同時に軽工業と農業を発展させる路線を堅持しなければなりません。

    機械製作工業を中核とする重工業は、自立的民族経済の根幹であります。このような重工業を建設してこそ、経済的、技術的に自立し、軽工業と農業を含む人民経済全般を現代技術にもとづき早急に発展させることができます。また重工業とともに軽工業と農業を同時に発展させれば、人民生活を系統的に向上させ、重工業自体の発展も促進できます。とくに農業をりっぱに営み、食糧問題を自力で解決するのは、人民に安定した生活を保障し、自主的に生きていくうえできわめて重要な意義をもちます。

    自立的民族経済を建設するためには、経済を現代技術で装備し、民族技術幹部を大々的に育成しなければなりません。

    技術的自立は、経済的自立の不可欠の要求です。自らの発達した技術なくしては、国の天然資源の有効な開発、利用も、人民経済の多方面的発展も不可能です。また技術を発展させなければ、勤労大衆を骨の折れる労働から解放して肉体労働と精神労働の差を縮めることも、経済建設と国防建設で提起される複雑で困難な問題を自力で解決することもできません。人民経済の技術的後進性を一掃し、それを現代技術で装備するのは一つの革命です。すべての部門であらゆる可能性を引き出し、技術革命をたえず促進させるならば、早急に技術を発展させ、短期間に国の経済的・技術的自立を達成することができます。

    民族技術幹部問題の解決は、経済的・技術的自立の重要な条件であります。民族技術幹部の問題を解決しなければ、自力で経済と技術を発展させることができません。かつて帝国主義の従属下で、現代科学と技術の文明から遠く取り残されていた諸国での民族技術幹部問題の解決は、新しい社会の建設でとくに重要な課題となります。したがって技術革命をおこない、経済的、技術的に自立するためには、必ず文化革命に力を入れて勤労大衆の文化・技術水準を高め、民族技術幹部の大集団を育成しなければなりません。われわれは、金日成同志によって示された全社会のインテリ化方針を断固貫き、勤労大衆の文化・技術水準と技術幹部の質的水準をさらに高め、新しい技術者をより多く、よりりっぱに育成すべきです。

    自立的民族経済を建設するためには、国内の原料・燃料基地を強固なものにしなければなりません。

    原料と燃料を他国に依存するのは、経済の命脈を他国に委ねるにひとしいことです。経済的に自立して経済を安全かつ展望的に発展させるためには、必ず国内の原料・燃料基地に依拠し、原料と燃料の需要を基本的に自力で充足させなければなりません。このためには、国の天然資源を最大限に動員し合理的に利用する一方、工業を最初から国内原料と燃料に依拠する主体的な工業に発展させなければなりません。

    自力更生の原則で自立的民族経済を建設するということは、決して門戸を閉ざして経済を建設することを意味するものではありません。自立的経済は、他国による経済的支配と従属に反対するものであって国際的な経済協力を否定するものではありません。とくに社会主義諸国や新興諸国が互いに経済的、技術的に緊密に協力することは、これらの国の経済的自立の保障と経済的威力の強化に重要な役割を果たします。

    今日、新興諸国人民はアメリカをはじめ帝国主義者の侵略と略奪政策に反対し、国の自主権と天然資源を守り、少数資本主義列強が世界の大多数の国と人民を意のままに搾取し略奪した古い経済秩序に終止符をうち、公正な新しい世界経済秩序をうち立てるためにたたかっています。新興諸国は無尽蔵な人的資源と天然資源をもっており、巨大な経済的潜在力をもっています。また互いに交流できるりっぱな経験と技術も少なからずもっています。新興諸国と人民が経済・技術協力を強めて団結した力で強くたたかうならば、帝国主義者の侵略と略奪政策を退け、民族の尊厳と生存権を守り、列強に依存することなく短期間に経済的自立と繁栄をとげることができます。

    社会主義の自立的民族経済建設で現在われわれに提起されている重要な課題は、人民経済の主体化、現代化、科学化を促進することです。

    金日成同志によって明らかにされたように、人民経済の主体化、現代化、科学化は、社会主義・共産主義経済建設において、一貫して堅持すべき戦略的路線であります。われわれは自立的民族経済建設の路線をひきつづき堅持し、人民経済の主体化、現代化、科学化を強力におし進めることによって、民族経済の自立性と主体性をさらに強め、人民経済の技術装備をたえず現代化し、すべての生産および経営活動の徹底的な科学化を実現していくべきであります。

    

          (4) 国防における自衛

    

    国防において自衛を実現するのは、自主独立国家建設の根本原則です。帝国主義が存在する状況のもとで、内外の敵から自国を防衛する自衛的武力をもたない国は、事実上完全な自主独立国家だと言えません。

    帝国主義は戦争の恒常的根源であり、今日、侵略と戦争の主な勢力はアメリカ帝国主義です。

    金日成同志が述べているように、われわれは戦争を望まないが、それを恐れるものではなく、帝国主義者に平和を哀願するものでもありません。民族の独立と平和を守り、革命偉業の勝利を達成するもっとも正しい道は、帝国主義者の侵略戦争に解放戦争で対抗し、反動派の反革命的暴力に革命的暴力で対抗し、帝国主義者の侵略と戦争策動につねに万全の備えをもって対処することです。

    そのためには、国防において自衛の原則を貫かなければなりません。

    国防における自衛は、国の政治的独立と経済的自立の軍事的保障です。国防において自衛の原則を貫いてこそ、帝国主義の侵略と干渉を退け、国の政治的独立と経済的自立を固守し、革命の獲得物と人民の安全を守ることができます。

    国防において自衛の原則を貫くというのは、自らの力で自国の防衛に当たることを意味します。もちろん国防においても兄弟諸国や友人の援助を受けることはできます。しかし、自国の防衛を他国に依託するわけにはいきません。基本はあくまでも自らの力であり、自らの力がなければ外部の援助も効果を現わすことができません。したがって国防においてまず、自国人民の力と自らの防衛力に依拠しなければなりません。国防も人民のための事業であり、人民自身の事業です。革命的党の指導のもとに、全人民がかたく団結して民族解放闘争と祖国防衛に立ち上がるならば、いかなる帝国主義侵略者をも十分撃退し、国の独立と革命の獲得物を守りぬくことができます。

    国防において自衛の原則を貫くためには、自衛的武力をもたなければなりません。

    自衛的武力は、勤労人民の子弟で組織されなければなりません。兵士と指揮官とを問わず労働者、農民をはじめ勤労人民の子弟で組織された軍隊であってこそ、軍民一致と上下一致をなし、国の独立と革命の獲得物を防衛し、人民に奉仕する真の人民の自衛的武力となりえます。

    国防において自衛の原則を貫くためには、全人民的・全国家的防衛体制を確立しなければなりません。

    全人民的・全国家的防衛体制を確立するためには、全軍を幹部化、現代化しなければなりません。全軍を幹部化してこそ、兵力が強化されるばかりでなく、有事の際に必要な指揮メンバーを確保し、兵員を幾倍にも増強することができます。また全軍を現代化し、政治的・思想的優越性に現代技術を結合すれば、革命軍隊を無敵の軍隊にすることができます。

    全人民的・全国家的防衛体制を確立するためにはまた、全人民を武装させ、全国土を要塞化しなければなりません。全人民を武装させ全国土を要塞化すれば、全人民の力を奮い起こし、敵がどこから攻めてきても直ちに完全掃滅し、帝国主義者の侵略から国をゆるぎなく防衛することができます。

    国防において自衛の原則を貫くためには、人民武力の政治的・思想的優越性を高度に発揮させなければなりません。

    戦争の勝敗を左右する決定的要因は、兵器や技術にあるのではなく、自己の偉業の正しさを自覚した軍隊と人民大衆の高度の政治的熱意と革命的献身性にあります。人民の自由と解放のためにたたかう気高い革命精神、党と領袖への限りない忠誠心、祖国と革命のために青春も生命も惜しみなくささげる無比の犠牲的精神と集団的英雄主義、将兵間の革命的同志愛と人民との血のかよった結びつき、自覚にもとづく軍事規律などは、人民の軍隊、革命の軍隊に特有の政治的・思想的優越性です。革命戦争の歴史が証明しているように、政治的、思想的に十分に鍛えられた革命軍隊は、たとえ装備の面で立ち後れているとしても、最新装備を備えた敵と戦って十分勝利することができます。政治的・思想的優越性こそは、革命武力の本質的優越性であり、その不敗の源泉です。

    したがって、軍隊を政治的、思想的に強化し、その政治・思想水準をたえず高め、革命的人民武力の政治的・思想的優越性をもって帝国主義侵略軍を撃破するようにすべきです。

    国防において自衛の原則を貫くためには、自らの国防工業を建設しなければなりません。

    民族国防工業は、自衛的武力の物質的保障です。とくに今日、アメリカをはじめ帝国主義者が武器をえさに他国を従属させようと悪らつに策動し、武器輸出をつうじて他国の人民を略奪し、暴利をむさぼっている状況下にあって、新興独立諸国が自らの民族国防工業を創設することはきわめて重要な意義をもちます。もちろん小国が必要な武器をすべて自力で生産することは困難ですが、だからといって、武器をすべて他国に依存するわけにもいきません。自力で解決できるものはあくまでも自力で生産供給するよう、民族国防工業を建設し発展させるべきです。

    国防において自衛の原則を貫くためには、後方を強化しなければなりません。

    金日成同志が述べているように、現代戦の勝敗は戦争遂行に必要な人的および物的資源を長期間円滑に保障するかどうかに大きくかかっています。戦争に対処するには、軍事戦略上の重要地帯をかため、必要な物資を備蓄し、有事の際にも生産が続けられるよう、平時からその準備に万全を期さなければなりません。

    わが党は経済建設と国防建設を並進させる方針を堅持することによって、戦争に対処する軍事的・物質的準備をりっぱにととのえ、前線と後方をともに強固にしました。

    われわれは国防における自衛の路線をひきつづき貫くことによって、自衛的武力を不敗の武力にいっそう強化し、敵のいかなる侵略策動も退け、祖国と革命の獲得物をゆるぎなく防衛するでしょう。

    

        
    

    チュチェ思想の要求通りに革命と建設を進めるためには、革命の路線と戦略・戦術の確立、さらには、その貫徹において創造的方法を具現しなければなりません。

    創造的方法を具現し、革命と建設におけるすべての問題を人民大衆の創造力に依拠し実情に即して解決するのは、つねに革命運動で堅持すべき原則です。

    

          (1) 人民大衆に依拠する方法

    

    革命と建設の成果は、結局人民大衆の創造力をいかに動員するかにかかっています。

    人民大衆は革命と建設をおし進める決定的力量であるため、人民大衆に依拠してこそ、いかに困難な問題も成功裏に解決し、革命と建設を力強く進めることができます。

    人民大衆に依拠して革命と建設を成功裏に遂行するためには、大衆の要求と志向を反映した正しい路線と政策を樹立し、それを大衆自身のものにしなければなりません。

    人民大衆は誰よりも現実をよく知り、豊富な経験をもっています。広範な大衆の意思と要求を総合して一般化すれば、人民の志向と利益にかなった正しい路線と方針をうちだし、大衆の心をとらえ、かれらを闘争へと鼓舞することができます。人民大衆の意思を正しく反映できなければ、革命と建設の指導で主観主義的誤りを犯しかねず、そうなれば大衆の創造力を発揮させることはできません。

    人民大衆の意思と志向を反映した路線と方針を樹立するだけでなくそれを大衆のあいだに深く浸透させ、大衆自身のものにさせるべきです。

    党のすべての路線と方針は、結局人民大衆によって貫徹され実現します。人民大衆は党政策の正しさとその遂行方途を知れば、それを死活の問題として受け入れ、その貫徹のために高度の熱意と創意を発揮してたたかうようになります。人民大衆に把握されない路線と方針は、大きな生命力を発揮することができません。

    人民大衆の創造力に依拠して革命と建設を遂行するためには、大衆を一つの政治勢力に結集しなければなりません。

    大衆の力は団結にあります。大衆は一つにかたく団結したとき、革命闘争と建設事業でじつに驚くべき力を発揮するものです。

    人民大衆をかたく結集するためには、階級路線と大衆路線を正しく結合しなければなりません。

    階級的原則を堅持するとともに、大衆路線を正しく貫徹してこそ、敵対的要素を徹底的に孤立させ、階級的陣地を強化し、各階層の広範な大衆を教育、改造して団結させ、革命と建設でかれらの創造力を高度に発揮させることができます。社会主義のもとで階級闘争と人民大衆の統一団結を強化する活動を正しく結合させず左右の偏向をおかせば、大衆の団結を弱め、かれらの革命的熱意と創造力を麻痺させ、革命と建設に大きな損失を与えるようになります。

    革命と建設で人民大衆の創造力を発揮させるためには、革新を妨げるあらゆる古いものに反対してたたかわなければなりません。とくに消極性と保守主義に反対して積極的にたたかうことが重要です。消極性と保守主義に反対する闘争を強化しなければ、人民大衆の創造力を高度に発揮させ、革命と建設にたえず革新と高揚をもたらすことができません。

    革命と建設において大衆的運動を広く展開すべきです。

    大衆的運動は勤労大衆の団結と協力を強め、かれらの底知れない力を余すところなく発揮させる創造的方法であり、大衆的闘争と集団的革新によって社会主義・共産主義建設を促進させる革命的方法です。大衆的運動を妨げるあらゆる要素に反対し、大衆の自覚と創意を高度に発揮させ、大衆的闘争を組織化したえず発展させるならば、いかに困難な問題でも成功裏に解決することができます。

    広範な大衆の創造力に依拠して革命と建設を進めるうえで重要な問題は、革命的活動方法を確立することです。正しい路線と方針があっても、革命的活動方法に欠ければ、その貫徹へ大衆を正しく奮起させることも、革命と建設を成功裏に遂行することもできません。

    金日成同志は早くも抗日革命闘争の時期に、共産主義者の革命的活動方法、チュチェの活動方法を創始しました。

    チュチェの活動方法は、人民大衆に革命と建設の主人としての立場を守り、主人としての役割を果たさせる活動方法です。この活動方法は、つねに大衆のなかに入り、実情を深く把握して問題解決の正しい方途を示し、上部が下部に実質的な援助を与え、すべての活動に政治活動を優先させて大衆が革命課題の遂行に自発的に参加するようにし、格式と枠にとらわれることなく、すべての問題を具体的特性と環境に即して創造的に解決する革命的で共産主義的な活動方法です。この活動方法はつねに、大衆と生死、苦楽をともにし、大衆の先頭に立って率先垂範し、謙虚かつ素朴で度量のある品性を備え、大衆があらゆる創意を発揮するように導く方法です。

    このようなチュチェの活動方法は、金銭とムチで人間を動かす方法や行政的・命令的活動方法と根本的に対置されるものです。

    労働者階級の党は、権力を掌握する以前と以後とを問わず、また革命闘争と建設事業を問わず、つねに革命的活動方法を堅持すべきです。とくに政権掌握後は、発展する現実に即して活動方法をたえず改善し完成すべきです。こうすることによって大衆の革命的熱意と創造的積極性を十分に発揮させ、社会主義・共産主義建設を力強く推進させることができます。また、政権党に現われうる官僚化と行政化の傾向を防ぐことができます。労働者階級の党が大衆に依拠し、大衆の創造力を発揮させる革命的活動方法を堅持するのは、革命と建設で原則的意義をもつ重要な問題です。

    われわれは、金日成同志によって創造された革命的活動方法、金日成的活動方法を確実に具現し、人民大衆の創造力を高度に発揮させて、革命と建設を促進しなければなりません。

    

          (2) 実情に即しておこなう方法

    

    革命運動は、すべての問題を変化、発展する現実と国の具体的条件に即して解決していくことを求めます。

    社会主義・共産主義をめざす革命闘争は、それぞれ異なる時代的条件と、個々の国の具体的な環境のもとで進められます。革命と建設では、どの時代、どの国にも一様に当てはまる処方というものはありえません。したがって、つねに現実から出発し、すべての問題を実情に即して創造的に解決していくべきです。

    革命闘争を自国の実情に即して正しく進めるためには、自国革命の主・客観的条件を十分に考慮し、それにかなった路線と政策、戦略・戦術を規定しなければなりません。自国革命の主・客観的条件を十分考慮しなければ、路線と政策の樹立において主観主義に陥り、革命と建設に大きな損失を与えるようになります。

    革命闘争では、主体的要因、政治的・思想的要因に、より大きな意義を見出さなければなりません。主体的力量がととのい、人民大衆の思想・意識水準が高いときには、たとえ他の条件に不利な点があっても、革命を主動的に推進させることができます。革命の路線と方途の規定では、主体的要因、政治的・思想的要因に基本をおき、これを強化して革命を極力発展させるようにすべきです。

    革命闘争と建設事業を自国の実情に即して進めるためには、既成理論を正しく受けとめなければなりません。

    金日成同志が述べているように、既成理論の命題や公式にたいしては、それがどのような時代の要請を反映し、またどのような前提のもとに生まれたかを検討し、自国の具体的現実と特殊性に即して適用すべきです。具体的な革命実践に合わない理論は役に立ちません。革命闘争と建設事業にたいする指導の始発点は、既成理論の命題や公式ではなく、生きた現実です。問題は既成理論に合うかどうかにあるのではなく、人民大衆の要求と利益にかなうかどうか、それぞれの歴史的時期の主・客観的条件にあうかどうかにあります。人民大衆の要求と利益にかない、主・客観的条件に合えば、既存の命題や公式にこだわる必要はありません。

    革命闘争を正しく進めるためには、時代の歴史的条件と自国の具体的実情に即して革命と建設の新たな原理と方途を積極的に探求しなければなりません。

    現実の要請に即して革命の原理と方途を新たに探求することは、われわれの時代においていっそう切実な意義をもちます。革命と建設がかつてなく深化発展し、多くの新たな理論的・実践的問題が提起されているわれわれの時代は、現実に合う革命の指導理論と戦略・戦術をうちだし、労働者階級の革命理論を創造的にいっそう発展させることを求めています。

    われわれの時代の革命実践の要請に即して革命の原理と方途を独創的に示したわが党の理論活動は、マルクス・レーニン主義の革命的原則を固守し、労働者階級の革命理論を新たな高い段階に発展させた輝かしい模範となります。

    革命と建設において外国の経験を批判的、創造的に受けとめることが重要です。

    外国の経験はあくまでも、その国の社会的・歴史的条件と、民族的特殊性を反映したものです。それには自国に必要で有益なものもあれば、そうでないものもあり、自国の実情に合うものもあれば合わないものもあります。外国の経験のうち、自国に有利なものは取り入れ、そうでないものは取り入れるべきでありません。外国のりっぱな経験を取り入れる場合にも、それをうのみにせず、自国の実情に合うように改造し変形させて取り入れる立場を守るべきです。

    外国の経験は参考にすべきですが、できる限り自国の経験を十分に生かすべきです。

    外国のものを頭から真似ようとしたり、外国のりっぱな経験を謙虚に学ぼうとしないのは、いずれも誤りです。問題は、外国の経験にどのような態度をとるかということです。われわれが反対するのは創造性を失い、外国の経験を頭から崇拝し、自国の実情に合わないものまでうのみにする教条主義的態度です。このような態度は、自国の革命発展の要請と人民の志向にかなった正しい路線と政策の樹立を妨げ、結局は革命と建設に難関をもたらします。

    創造性を具現し、すべての問題を自国の実情に即して解決していく方法こそ、事大主義、教条主義を排し、革命と建設を成功裏に遂行させる科学的かつ革命的な方法です。

    

       

    

    革命運動において人民大衆の自主的な思想・意識は決定的な役割を果たすため、革命と建設では必ず思想を基本にとらえ、人民大衆の自発性と積極性を高めるための思想改造、政治活動をすべての活動に優先させなければなりません。

    

          (1) 思想改造の優先

    

    思想改造は、人間を真の共産主義的人間に改造する重要な活動です。

    金日成同志は、社会の全構成員を革命化、労働者階級化、インテリ化し、チュチェ型の共産主義的人間に改造することを、全社会のチュチェ思想化をめざす重要な革命課題の一つとして示しました。

    社会主義・共産主義を建設するためには生産力を発展させ、社会関係を変革するばかりでなく、人間そのものを全面的に発達した共産主義的人間に改造しなければなりません。いかに生産力が高い水準に達し、物質的富が豊かになったとしても、社会の主人である人間が共産主義的人間に改造されなくては共産主義社会を建設したとは言えません。

    人びとを全面的に発達した共産主義的人間、自主的で創造的な人間にするためには、かれらを共産主義思想と先進科学・技術知識で武装させ、高い文化水準に到達させなければなりません。

    とくに、人びとを共産主義思想で武装させることに第一義的な注目を向けなければなりません。

    人間改造は本質において思想改造です。人間の価値と品格を決定するのは思想であり、したがって人間改造でなによりも重要なのは思想改造です。

    思想改造は、人間の物質的生活条件の改善や文化・技術水準の向上をはかることより難しい事業です。人間の思想・意識は社会経済的地位や物質的生活条件などによって制約されるが、社会経済的地位や社会生活の物質的条件の変化にともなって、自然に改造されるものではありません。古い思想の残りかすはきわめて保守的で執ようなものです。思想改造は複雑かつ長期を要する事業であり、ねばり強くおこなわなければ成果をあげることができません。

    人びとの思想改造は一つの深刻な革命です。それは人間の思想・意識領域における旧社会の遺物を最終的になくし、すべての勤労者を先進的な労働者階級の思想、共産主義思想で武装させるたたかいであり、搾取階級が一掃された社会主義社会における階級闘争の基本的形式をなします。人びとを共産主義的に改造するためには、社会主義制度の確立後にも帝国主義者の反動的な思想的・文化的浸透とたたかうと同時に、人びとの意識に残っている古い思想を一掃し、かれらを新しい共産主義思想で武装させる思想革命をひきつづき徹底的に遂行しなければなりません。

    思想改造において基本をなすのは革命的世界観、革命観を確立することです。

    人びとを社会主義・共産主義偉業のために献身する熱烈な共産主義的革命家につくりあげるためには、かれらのあいだで正しい革命観を確立しなければなりません。革命をどのように受けとめ、革命にいかに積極的に参加するかは、結局革命観の確立いかんにかかっています。

    党員と勤労者が身につけるべき革命観はチュチェの革命観です。チュチェの革命観は、人民大衆を中心にすえて革命に対応する観点と立場であり、人民大衆のために断固とたたかう革命精神です。

    チュチェの革命観で核心をなすのは、党と領袖にたいする忠実性です。社会主義・共産主義偉業は領袖によって切り開かれ、党と領袖の指導のもとに遂行されます。革命運動は党と領袖の指導にしたがってのみ勝利することができます。したがって、正しい革命観を確立するためには、つねに党と領袖にたいする忠実性を高めることを基本にとらえていかなければなりません。

    正しい革命観を確立するためには、革命思想と革命理論で武装しなければなりません。革命思想と革命理論を体得してこそ、革命発展の合法則性を正しく認識し、革命の前途を確信をもって見通すことができ、いかなる逆境にあっても動揺やためらいを知らず、最後までたたかうことができます。

    正しい革命観を確立するためには、共産主義的革命精神を所有しなければなりません。共産主義的革命精神は、党と領袖のため、労働者階級と人民のためすべてをささげる限りない献身性であり、革命の敵にたいする燃えるような敵愾心と憎悪心であり、いかなる逆境にあってもいささかの動揺もなく革命の節操を守ってあくまで断固たたかう強靭な革命精神です。それは、前進途上の障害と難関を勇敢に乗り越え、すべてを自力で解決していく自力更生の革命精神であり、革命組織をもっとも重んじ、組織規律を自発的に守る強い組織性と規律性の精神です。こうした共産主義的革命精神を身につけてこそ、真の革命家になることができます。

    革命思想と理論を信念化し、強靭な共産主義的革命精神を身につけたとき、正しい革命観が確立したと言えます。

    正しい革命観が確立したかどうかは、革命的実践によって検証されます。革命的実践は思想改造の有力な手段であると同時に、人間の思想を点検する尺度です。実践と行動を離れては、人間の思想を評価し点検することはできません。共産主義者の革命的実践とはほかならぬ領袖の革命思想、党の路線と政策を貫徹するための闘争です。領袖の革命思想を体し、党の路線と政策を貫くためにすべてをささげてたたかう人が正しい革命観の確立した真の共産主義的革命家です。

    正しい革命観が確立したかどうかは、とくにきびしい試練の時期にはっきり現われます。人間は逆境に直面したときに本性を現わすものです。たとえ生命をなげうっても党と領袖に最後まで忠誠をつくす覚悟に徹し、断頭台に立たされても革命的節操を守れる人間、このような人間こそがチュチェの革命観の確立した真の革命家です。

    正しい革命観の確立した共産主義的革命家になるためには、革命的学習を強化しなければなりません。

    学習は革命思想と理論および戦略・戦術で武装するための基本的方途です。学習することなくしては革命闘争の真理を体得することも、高い階級的眼識と革命的見識を所有することもできません。革命家はつねに学習を第一の任務とし、生涯にわたって学習をつづけなければなりません。学習はたんに理論と知識を得るためのものではありません。学習をつうじて習得した革命理論と知識は必ず信念化されなければなりません。

    正しい革命観の確立した共産主義的革命家になるためには、革命的組織生活を強化しなければなりません。

    組織生活は、共産主義運動の本性に根ざす革命的生活方式であり、革命的鍛錬の学校です。人間は、組織生活を離れては革命家になれず、政治的生命を維持することができません。人間は父母から肉体的生命を授かるが、政治的生命は組織生活をつうじて保たれ、輝かせられるものです。

    革命的組織生活はつねに強い思想闘争のなかで進められるべきです。思想教育とともに思想闘争を強化すれば、人間は政治的に自覚し鍛えられ、革命家の思想的・精神的風格を完成していくことができます。労働者階級の党はつねに革命的組織生活を掌握して、思想闘争の溶鉱炉のなかで人びとを熱烈な共産主義者に鍛えなければなりません。

    正しい革命観の確立した共産主義的革命家になるためには、革命的実践のなかで鍛えなければなりません。

    革命家は革命闘争の実践のなかで思想と意志を鍛え、革命家としての資質と品格をそなえていきます。階級闘争はもっとも鋭い革命闘争です。人間は階級闘争の実践のなかで階級意識を高め、敵と味方を正しく識別する能力を身につけ、階級敵にたいする非妥協的闘争精神をもつようになります。社会主義経済建設のたたかいも重要な革命闘争です。生産と建設のための実践闘争に積極的に参加してこそ、社会主義・共産主義偉業の正しさと勝利の確信をもつようになり、真の労働者階級の革命精神、革命的風格を身につけることができます。

    われわれは革命的学習と組織生活、革命的実践をつうじて党員と勤労者をチュチェの革命観が確立したチュチェ型の共産主義的革命家、金日成同志によって切り開かれたチュチェの革命偉業を最後まで完成するため献身する真の革命闘士に育てなければなりません。

    

          (2) 政治活動の優先

    

    革命課題をりっぱに遂行するためには、人びとを教育し奮起させる政治活動をすべての活動に優先させなければなりません。

    革命と建設は人間によってなされるものであるため、革命闘争と社会主義・共産主義建設の成果は結局、対人活動をいかにおこなうかによって決まります。対人活動は本質において政治活動であり、人びとの思想に働きかける活動であります。対人活動、政治活動を優先させるというのは、他のすべての活動に先駆けて、人民大衆を党の路線と政策で武装させ、かれらの革命的熱意を呼び起こすことによって、大衆自身が高度の自発性と積極性をもって革命闘争と建設事業を成功裏に遂行するようにさせることを意味します。もともと革命は自発的な闘争です。革命は他人の指図を受けたり、なんらかの報酬を期待しておこなうものではなく、あくまでも自分自身の政治的信念と自覚にもとづいておこなうものです。したがって革命闘争ではつねに政治活動を優先させ、人びとの自発性と積極性を高めることを確固たる原則としなければなりません。

    政治活動の優先は、社会主義制度の本性にもとづく要求です。人民大衆を抑圧し搾取する資本主義社会とは異なり、人民大衆があらゆるものの主人となっている社会主義社会では、かれらの高度の政治的自覚と革命的熱意に依拠するのが合法則的です。政治活動を優先させ、革命の主人としての勤労者の自発的熱意を高めれば、社会主義制度の優越性を発揮させ、社会主義建設を力強くおし進めることができます。

    政治活動を優先させるということは、行政・実務活動や技術・経済活動の軽視を意味するものではありません。

    金日成同志が述べているように、政治活動を優先させながら、これに行政・実務活動と技術・経済活動を正しく結合しなければなりません。社会主義・共産主義建設は全社会的規模で計画的に推進される高度に組織化された事業であり、現代科学・技術にもとづいて進められる複雑な事業です。綿密な行政組織活動、科学的な技術・経済活動は社会主義・共産主義建設における不可欠の要求です。しかし行政組織活動、技術・経済活動そのものも、政治活動を優先させるときにのみ円滑に進められます。政治活動をゆるがせにし、技術的・経済的実務にとらわれるならば、いかなる革命課題もりっぱに遂行することはできません。

    人民大衆を社会主義建設に奮起させるためにはまた、政治的・道徳的刺激を主にしながら、これに物質的刺激を正しく結合しなければなりません。

    社会主義社会の本質的特徴はその共産主義的性格にあります。政治的・道徳的刺激は社会主義社会の共産主義的性格から提起されるものであり、それを強化するためのものです。もちろん社会主義社会は過渡的性格をおびているため、この段階では労働の質と量による社会主義的分配の原則を実施すべきであり、物質的刺激を無視してはなりません。しかし、政治的・道徳的刺激を二の次にして物質的刺激を主にするのは、社会主義制度の根本的性格に反することです。それは勤労者のあいだで利己主義を助長して、かれらを物欲のとりこにし、結局は社会主義制度と革命の獲得物を腐食させるきわめて危険かつ有害な偏向です。社会主義のもとではあくまでも政治的・道徳的刺激を主にしなければなりません。社会主義制度の本質的優越性は、あらゆるものの主人となった人民大衆がかたく団結して国家と人民のため、社会と集団のために自発的に働くところにあります。政治的・道徳的刺激を主にしてこそ、人民大衆が国家と革命の主人としての正しい立場と態度をとり、自発的熱意を発揮して働くようになります。

    政治活動は説得と教育の方法でおこなわなければなりません。政治活動は対人活動、人民大衆の思想・意識を啓発する活動です。命令や号令の官僚主義的方法では決して人びとの自発的熱意を呼び起こすことができません。さとして教える説得と教育の方法によってのみ、人びとを革命思想で武装させ、かれらの革命的熱意と底知れない創造的エネルギーを遺憾なく発揮させることができるし、党と大衆の結びつきを強めていくこともできます。

    政治活動はさまざまな形式と方法によって生き生きとおこなわなければなりません。政治活動はそれぞれ異なる条件と環境でおこなわれ、異なる水準と特徴をもつ人間を対象とする創造的な活動であるだけに、一つの処方箋や枠にあてはめておこなうことはできません。政治活動は実情にかなったいろいろな形式と方法で、実質的に積極的におこなわなければなりません。

    政治活動は大衆自身の活動として展開しなければなりません。広範な大衆を教育し奮起させる政治活動は、幾人かの力だけではできません。元来、革命家はすべてが政治活動家となり、大衆の教育者、組織者となるべきです。

    金日成同志が述べているように、一人が一〇人、一〇人が一〇〇人、一〇〇人が一〇〇〇人を教育し奮起させるのは、多くの人を政治活動に引き入れ、それを大衆自身の活動にしていくすぐれた方法です。

    政治活動は革命実践と密接に結びつかなければなりません。政治活動の重要な目的は、提起された革命課題をりっぱに解決することにあります。政治活動の成果は必ず革命と建設の実践上の成果として現われなければならず、また、それによって評価されるべきです。革命課題の遂行と遊離した政治活動、革命と建設の役に立たない政治活動は無用です。

    われわれは革命実践によって正しさと生命力が実証された政治活動優先の原則をひきつづき堅持し、社会主義・共産主義をより速く、よりりっぱに建設すべきです。

    

    

      

    

    チュチェ思想は人類の思想・精神生活と世界の革命的変革過程に大きな影響を及ぼしています。チュチェ思想は世界の人民のあいだに大きな共感を呼び起こしており、自主性を志向するわれわれの時代の歴史的運動を力強く促しています。

    チュチェ思想は公認された時代の思潮となり、歴史の前進とともに、そのけん引力と変革者としての意義はますます大きくなっています。

    チュチェ思想はわれわれの時代、チュチェ時代の革命的世界観を明らかにしました。これは、人類の思想発展と解放偉業にたいするチュチェ思想の重要な歴史的貢献です。

    世界にたいする人間の見解、人間の観点と立場は長い歳月にわたって発展してきました。

    過去における世界観の発展史は、相反する二つの哲学的潮流、唯物論と観念論、弁証法と形而上学の闘争の歴史でした。マルクス主義はこの闘争で唯物論と弁証法の勝利を確定しました。マルクス主義の唯物弁証法的世界観の出現は、当代の要求を反映したものでした。つとに労働者階級が歴史の舞台に登場することにより、人類史には新しい時代が胎動しはじめました。資本に反対する革命の序章が始まった新たな歴史的条件は、闘争に立ち上がった労働者階級に資本主義の滅亡と社会主義勝利の必然性を教える革命思想を切実に求めました。ここで前面に提起された問題は、反動的な資本の支配を神聖化し、その永久性を説くことに仕えてきた観念論と形而上学を打破し、労働者階級の科学的世界観を明らかにすることでした。唯物弁証法的世界観は、まさにこの時代の要求を反映して生まれました。

    時代の発展は世界観の発展をともないます。労働者階級の進出とあいまって開始された革命のたえまない拡大発展は、それまで歴史の対象とされてきた勤労人民大衆が歴史の主人として登場する新しい時代の誕生をもたらしました。労働者階級をはじめ勤労人民大衆が世界を支配する偉大な勢力として登場した新しい時代は、かれらが自らの運命の主人となってそれを自主的に、創造的に切り開き、民族解放、階級解放、人間解放の歴史的偉業を成功裏に実現していける新たな世界観の出現を求めました。この歴史的課題は、チュチェ思想の創始によってりっぱに解決されました。

    新しい時代の世界観を示したチュチェ思想は、その基礎をなす哲学的原理において新しく独創的なものです。

    以前には、物質と意識、存在と思惟の関係を哲学の根本問題とみなしてきました。物質・存在を本源的とみなすマルクス主義の唯物論的原理は、この問題に科学的解明を与えました。

    チュチェ思想は、世界の始原にかんする問題が唯物論的に解明された前提に立って、世界における人間の地位と役割に関する問題を哲学の根本問題として新たに提起し、世界の主人が誰であるかという問題に解答を与えました。

    世界の主人としての人間の地位と役割について解明したチュチェ思想の哲学的原理は、人間にたいする新たな解明にもとづいています。

    人間にかんする問題は、従来の哲学でもしばしば論議の対象とされてきたが、そのほとんどは社会的関係を離れた純然たる人間にたいする抽象的な見解に止まっていました。人間の本質にかんする問題は、マルクス主義によって社会的関係のなかで提起され解明されました。

    チュチェ思想は、人間を社会的関係のなかで考察し、その本質的特徴を新たに解明しました。チュチェ思想によって、人間は自主性、創造性、意識性をもった社会的存在であることが解明された結果、人間にたいする完璧な哲学的解明がなされることになりました。チュチェ思想が社会的人間にたいする科学的解明にもとづき、人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するという哲学的原理を明らかにしたことは、世界観に新たな変革をもたらした哲学的発見です。

    人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するという思想、言いかえれば人間が世界と自らの運命の主人であり、世界の改造者、自らの運命の開拓者であるという思想は、観念論や形而上学とは根本的に対立するものです。観念論が世界と人間の運命は超自然的な「力」によって支配されるという神秘主義に帰着するとすれば、形而上学は世界の事物は固定不変であり、したがって人間は与えられた運命に従うべきであるという宿命論に帰着します。人間が世界と自己の運命の主人であり、世界を改造し、自己の運命を開くことができるという思想は、神秘主義と宿命論を否定した唯物論的・弁証法的立場を前提とします。

    チュチェ思想は、物質世界発展の最高の産物である人間による世界の支配と、その改造発展の原理を独創的に定義づけることによって、世界観の基礎を新たに解明しました。チュチェの哲学的原理にもとづく世界観は、人間中心の世界観です。

    歴史上にはさまざまな類型の世界観があったが、人間を中心にして世界にたいする観点と立場を解明したものはありませんでした。世界を観念や精神の世界とみなす観念論者は言うに及ばず、過去において世界を物質の世界とみた唯物論者たちも、人間を中心にして世界にたいする観点と立場を示すことはできませんでした。

    チュチェ思想は、人間を単なる世界の一部分としてではなく、世界を支配する主人に押し上げることによって、従来と異なり世界の主人である人間を中心に、世界とその変化発展に対応する新しい世界観を確立しました。人間を中心として世界に対応するチュチェの観点と立場は、世界を改造し、自らの運命を開いていく人間の自主的で創造的な認識活動、実践活動を保障する確固とした裏付けとなります。

    世界にたいする人間中心の観点と立場を示したチュチェ思想は、社会・歴史にたいする見解を革新しました。マルクス主義以前には唯物論や弁証法を提唱した人も、社会・歴史にたいしては観念論的立場に立っていました。マルクス主義は、社会も自然と同様、物質世界に属し、物質世界発展の一般的合法則性にしたがって変化発展することを解明して、社会・歴史にたいする観念論的見解を打破しました。

    チュチェ思想は、社会・歴史に作用する物質世界発展の一般的合法則性を認めるとともに、社会・歴史に固有の合法則性を解明しました。労働者階級の社会・歴史観の完成におけるチュチェ思想の重要な功績はここにあります。

    歴史の主体は人民大衆であり、社会的・歴史的運動は人民大衆の自主的・創造的運動であり、革命闘争において人民大衆の自主的な思想・意識が決定的役割をはたすという社会・歴史原理は、チュチェ史観の基本的内容をなします。これは、主体の運動である社会的・歴史的運動の本質と性格、推進力にたいする新たな解明を意味します。

    チュチェ思想は、歴史発展と社会革命を、その主体である人民大衆を中心に考察する新たな観点と立場を確立しました。

    人間中心の世界観、社会・歴史観を解明したチュチェ思想は、世界観の発展に偉大な転換をもたらしました。マルクス主義によってはじめて労働者階級の革命的世界観が確立したとすれば、チュチェ思想によって労働者階級の革命的世界観は、新たな段階へと発展し完成されました。

    新しい歴史的時代、チュチェ時代を代表する革命的世界観であるチュチェ思想は、あらゆる反動的・反革命的思潮を粉砕しつつ、自主と独立、社会主義・共産主義を志向する人類の前進運動を正しく導いています。

    チュチェ思想は、労働者階級の革命理論を新たな高い段階へと発展させました。労働者階級の革命偉業、人類の解放偉業にたいするチュチェ思想のいま一つの歴史的貢献はここにあります。

    労働者階級の革命理論が創始されて以来、長い年月が流れており、革命運動は大きく前進しました。新しい時代の革命実践は、新しい歴史的条件に即した革命理論の発展を求めました。チュチェ思想は、革命と建設の主人は人民大衆であり、革命と建設をおし進める力も人民大衆にあるという革命の根本原理を示し、それにもとづいて、われわれの時代の求める新たな革命理論の提示を可能にしました。

    チュチェ思想は、チュチェ時代の革命理論を展開するための正しい基礎です。チュチェ思想にもとづいて革命理論を展開するというのは、革命と建設の主人である勤労人民大衆を中心にすえて革命運動の原理と合法則性を解明するということです。

    勤労人民大衆を中心にすえて革命理論を展開するのは、チュチェ時代の革命運動の要求です。勤労人民大衆が世界の主人として登場し、その自主的な思想・意識と創造力によって革命闘争が幅と深みをもって展開されているわれわれの時代においては、勤労人民大衆を中心にすえて革命理論を展開することなしには、革命運動の原理と合法則性を正しく解明することはできません。チュチェ思想は勤労人民大衆を中心にすえて革命理論を展開することにより、勤労人民大衆の自主性を実現するための革命理論を全面的に解明することを可能にし、労働者階級の革命理論を民族解放、階級解放、人間解放にかんする理論を包括する完璧な理論に、社会改造、自然改造、人間改造にかんする理論を集大成した、完成された共産主義理論にしました。

    勤労人民大衆を中心にすえた革命理論の展開は、革命運動の本性に即して革命理論と戦略・戦術を展開する確固とした裏付けです。

    すべての革命運動は、勤労人民大衆のための事業であり、かれら自身によって遂行される事業であるため、革命理論と戦略・戦術は当然勤労人民大衆の利益を擁護し、その役割を高めるものとなるべきです。人民大衆の利益をいかに擁護するかによって理論の価値が決まり、人民大衆の役割をいかに高めるかによって戦略・戦術の威力が決定されると言えます。チュチェ思想はまさに、人民大衆の自主性と創造性および意識性に準拠することにより、人民大衆の根本的利益を擁護し、かれらの高度の革命的熱意と底知れない創造力を正しく発揮させる理論と戦略・戦術を提示できるようにしました。こうして労働者階級の革命理論を、勤労人民大衆の利益を徹底して擁護し、かれらの役割を最大限に高めるもっとも威力ある革命理論にしました。

    チュチェ思想は、従来の革命理論を正しく受けとめさせる指針ともなります。労働者階級の従来の革命理論は、今日とは異なる時代的条件と課題を前提にして生まれたが、階級的理念と使命においてはチュチェ思想にもとづく革命理論と共通性をもっています。チュチェ思想は既成理論と経験に創造的に対応する原則を提起することによって、従来の革命理論をわれわれの時代の革命実践の要求に即して具現し、発展させることを可能にします。とくにそれは、労働者階級と勤労人民大衆の自主性を徹底して擁護し実現する立場を堅持することによって、革命を中途で放棄したり、階級闘争を否定したりする修正主義をはじめすべての日和見主義を正しく識別、克服して労働者階級の革命理論に階級的原則と継続革命の精神を貫けるようにします。

    チュチェの革命理論は、チュチェ時代の労働者階級の真の革命理論であり、勤労人民大衆の自主性をめざす闘争とともに、永久に勝利しつづける不滅の共産主義革命理論です。

    偉大な思想は偉大な実践を生みます。哲学的原理と社会的・歴史的運動、革命運動の合法則性を新たに解明し、革命と建設の指導的原則を科学的に示している偉大なチュチェ思想は、革命実践に大きな変革をもたらしました。

    チュチェ思想はまず、朝鮮革命にりっぱに具現されて偉大な勝利をもたらしました。

    朝鮮革命はチュチェ思想によって導かれる革命であり、チュチェ思想をぬきにしては朝鮮革命のすべての勝利について考えることはできません。チュチェ思想の旗のもとに前進することによって、朝鮮革命は事大主義と教条主義による揺らん期の陣痛から脱し、幾多の難関と試練を乗り越えて困難な闘争の道を成功裏に切り開いてくることができました。

    チュチェ思想は、前人未踏の新しい道にそって革命と建設をもっとも正しく導きました。朝鮮革命は植民地民族解放のもっとも正しい道を切り開いた革命であり、社会主義への近道を開いた革命です。朝鮮革命は、世人から「社会主義の模範」と言われるもっともすぐれた社会主義の新生活を創造した革命であり、社会主義・共産主義の新しい道を成功裏に切り開いていく革命です。チュチェ思想によって前途が照らされたため、われわれはもっとも早い道を前進し、短期間に自主、独立、社会主義をめざすたたかいで、世界を驚嘆させる偉大な勝利を達成することができました。

    チュチェ思想はわが国において厳然たる現実となっています。朝鮮人民がなしとげた世紀の変革と偉大な創造物は、チュチェ思想の貴い結実です。今日、朝鮮人民はチュチェ思想の旗のもとに達成した輝かしい勝利と業績にたいする高い誇りと自負をもって、全社会をチュチェ思想の要求通りに改造する歴史的闘争を展開しています。

    チュチェ思想は、自主性を志向する世界人民の共通の願望を反映しているため、自主の新しい世界を創造するわれわれの時代の革命運動の発展に大きな影響を及ぼしています。

    チュチェ思想は新しい革命の道、自主的に、創造的に革命を進める大路を開きました。

    革命運動が民族国家単位に多様におこなわれているわれわれの時代は、個々の国の人民が革命の主人としての高い自覚をもち、主人としての役割をりっぱに果たすことを求めています。事大主義や教条主義などの誤った思想の影響が存在する状況のもとで、これはさらに切実な問題となります。チュチェ思想はまさに自主的、創造的な革命の道を明示することによって、各国の人民が自主的発展を阻むあらゆる古い思想の束縛から脱し、革命の主人としての責任感を強く自覚するようにし、自己の定見と信念にしたがって自国の実情にかなった路線と政策を樹立し、自らの創造力を発揮して革命を遂行できるようにしました。自主的、創造的な革命の道が開かれることによって、それぞれ異なる歴史的条件と発展段階にある人民が勝利の信念をもって民族解放および階級解放をなしとげ、社会主義・共産主義を建設するための闘争を積極的に展開できるようになりました。

    チュチェ思想は、自主性にもとづいて前進する国際共産主義運動の新しい道、国際関係発展の新しい時代を開きました。

    共産主義運動は、あらゆる従属と不平等を一掃し、自己の運命の主人となるための個々の国の党と人民の自主的な運動であり、したがってこれには、いかなる上下関係や主従関係もありえません。国家と民族にとって自主性は生命であり、かれらのあいだに支配と従属、命令と服従の関係は容認されません。チュチェ思想は、自主性を党および国家相互関係の根本的原則としてかかげることによって、国際共産主義運動と国際関係の発展に新たな転換をもたらしました。今日、自主性の原則は、国際共産主義運動の発展を保障し、共産党および労働者党間の関係を規定するゆるぎない原則として、さらに大きな生命力を発揮しており、それは新興独立諸国、社会体制を異にする世界各国間においても、国家関係発展の公認された原則、従属と不平等を強要する帝国主義者に反対する強力な武器となっています。

    じつにチュチェ思想は、新しい世界を創造し、自らの運命を開くための人民大衆の不滅の闘争の旗じるし、勝利の旗じるしです。

    金日成同志を仰ぎチュチェ思想の旗のもとに半世紀を越す栄えある闘争と勝利の道を歩んできたわが党と人民は、今後もチュチェ思想の旗を高くかかげて力強くたたかわなければなりません。

    朝鮮革命はまだ終わっておらず、われわれには依然として複雑かつ困難な革命任務が課されています。ひきつづきチュチェ思想の旗を高くかかげてたたかってこそ、いかなる難関と試練をも乗り越えて祖国の統一を早め、社会主義・共産主義偉業の最終的勝利を達成することができます。

    われわれはチュチェ思想でさらに強く武装し、その具現である党の路線と政策を貫徹して、わが党がうちだした全社会チュチェ思想化の綱領を成功裏に実現しなければなりません。

    全社会のチュチェ思想化を実現するためには、すべての党員と勤労者がチュチェ思想で武装し、いついかなる場合にもチュチェ思想の示す道にそって力強くたたかわなければなりません。

    党員と勤労者をチュチェ思想で武装させ、それを具現するうえで、科学・理論部門には重大な任務が課されています。

    チュチェ思想の研究と宣伝を優先させてこそ、党員と勤労者をチュチェの革命的世界観で武装させ、革命と建設にチュチェ思想を徹底して具現することができます。

    すべての科学・理論部門の活動家は各自の重責を深く自覚し、チュチェ思想の研究・宣伝活動に新たな転換をもたらさなければなりません。

    社会科学部門では、チュチェ思想とそれによって明らかにされた思想・理論の研究を幅広く進めるべきです。

    社会科学者はチュチェ思想の諸原理と指導的原則、チュチェ思想によって明らかにされたすべての思想・理論を全面的に研究し、わが党がチュチェ思想を具現して革命と建設で達成した業績と経験を深く研究すべきです。

    社会科学は、革命実践で提起される切実な問題に正しい科学的・理論的解答を与えなければなりません。社会科学者は実践的問題の解決を基本にしてチュチェ思想の研究を深め、革命と建設で提起されるすべての問題を科学的、理論的に正しく解明しなければなりません。

    チュチェ思想は、社会科学のすべての部門を新しい土台のうえに発展させる広びろとした道を開きました。

    われわれはチュチェ思想を思想的・理論的・方法論的基礎として科学研究活動をたえず深化発展させることによって、社会科学のすべての部門を新たな研究成果で豊かにすべきです。

    チュチェ思想の教育を強化しなければなりません。

    わが国の教育機関はチュチェ思想教育の殿堂であり、学校教育はチュチェ思想で一貫されなければなりません。

    すべての教育機関でチュチェ思想教育の質を決定的に高め、生徒たちが高等中学校を終えるときにはチュチェの革命的世界観の骨格がつくられ、大学をおえるときにはチュチェの革命的世界観の確立した活動家に育成しなければなりません。

    とくに大学ではチュチェの思想・理論についての教育を強化すべきです。大学では世界観確立のための教育と専門分野の知識を習得させる教育を正しく結びつけなければなりません。大学の社会科学系の学部では、学生にチュチェの革命的世界観を確立させるとともに、専門教育を強化して、チュチェの思想・理論を体得した有能な専門家を養成しなければなりません。

    幹部と党員と勤労者のあいだでチュチェ思想についての学習を強化しなければなりません。

    党の理論宣伝は、幹部と党員と勤労者にチュチェの思想・理論を深く体得させる活動です。

    チュチェ思想は真のチュチェ型の革命家の政治的生命を永続させるための貴い思想的・精神的糧です。真のチュチェ型の革命家となるためには、誰もがチュチェ思想を深く学習しなければなりません。

    すべての幹部と党員と勤労者は、つねにチュチェの思想・理論学習を熱心におこない、それを骨とし肉としなければなりません。

    科学・理論部門と出版・報道部門の活動家は、チュチェの思想・理論を深く解説した重みのある本や文章を多く書き、幹部と党員と勤労者をチュチェ思想で武装させるのに積極的に寄与すべきです。

    科学・理論分野では反動的ブルジョア思想とすべての日和見主義的思潮に反対する闘争を強化し、チュチェ思想の純潔を徹底して守らなければなりません。

    科学・理論部門の活動家は、チュチェ思想に反するあらゆる敵対思想の反動的本質と害悪を鋭く暴露し、ささいな非階級的、非革命的思想要素も、われわれの内部に浸透できないように徹底的に防がなければなりません。すべての科学・理論部門の活動家は、ブルジョア思想と封建的儒教思想、修正主義、事大主義、教条主義など反動的、反革命的思潮に反対して容赦なくたたかい、さまざまな反動分子と日和見主義者の策動を粉砕して、チュチェ思想を断固擁護しなければなりません。

    科学・理論部門の活動家は、偉大なチュチェ思想を確固たる信念とし、すべての科学・理論活動をチュチェの思想・理論の研究宣伝と擁護貫徹で一貫させ、チュチェ思想の偉大さと正しさを幅広く深く解説、宣伝しなければなりません。

    革命と建設において、先進思想の所有者であり伝播者である社会科学者と理論活動家の役割は大なるものがあります。

    わたしは、わが党の科学・理論活動家がチュチェ思想の積極的な擁護者、宣伝者としての使命と本分を肝に銘じ、チュチェ革命偉業の最終的完成をめざす闘争にりっぱに貢献するものと信じます。