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世界は人間の発展に即して発展する

    世界が人間の発展に即して発展するというのは、チュチェ思想が明らかにした人間による世界の支配と改造発展の法則性の重要な内容の一つであります。

    金正日総書記は次のように述べています。

    「人間の自主性、創造性、意識性が発展すればするほど世界の主人、世界の改造者としての人間の地位と役割は高まり、それは人間による自然と社会の改造において表現される。」

    世界が人間の発展に即して発展するとのこの法則性は、想像的運動としての人間による世界の支配と改造発展の様相を明らかにするものです。

    世界が人間の発展に即して発展するということは、人間の自主性、創造性、意識性の発展水準に即して世界の発展過程がさらに促進されるという意味であります。

    世界が人間によって支配され改造発展する過程の促進程度は、人間の発展程度、すなわち人間の自主性、創造性、意識性の発展水準によって左右されます。

    人間の自主性、創造性、意識性は自然と社会を改造する社会的実践に基づいて形成され発展するようになります。

    人間は自然を支配し改造する社会的実践過程で得た経験を一般化して、科学技術知識を発展させ、それを物質的手段に転換させて自然改造の能力を発展させます。人間はまた、社会を支配し改造する社会的実践過程で得た経験を一般化して、自主的な思想と革命理論を創造し発展させ、革命的能力を発展させます。ところが、社会的実践が発展するほどその深度が深まり幅が広くなるため、より深くて多様な経験が豊富に蓄積されます。また社会的実践が発展するほどそこに参加する人々が多くなり、彼らの社会的関係もより緊密になります。それゆえ、社会的実践が発展するほどより深くて多様な経験が幅広く概括、普及されて人間の自主意識水準と創造的能力の発展が促されます。また社会的実践が発展するほど、人間が自然の束縛と社会的従属から脱して自然を征服する労働と社会を改造する革命闘争をより積極的に展開しうる有利な物質的、社会政治的条件がつくられます。

    一方、社会的実践が発展するほどより複雑かつ困難で膨大な課題が提起され、人間のより高い思想意識水準と創造的能力を求めます。それゆえ自然と社会を支配し改造する社会的実践が発展するほど、人間の自主的思想意識と創造的能力がより高い水準へと発展するようになり、それだけ人間の地位が強化され、能動的な作用が大きくなります。結局、人間による世界の支配と改造発展過程は促進されるようになります。

    世界が人間の発展に即して発展することは、人間の自主性、創造性、意識性の発展につれて世界の改造発展過程が速いスピードで促進されることから表れます。

    まず自然は、人間の発展に即して速いスピードで発展します。

    自然そのものも、一定のスピードで進化発展します。しかしそれはあくまでも盲目的に作用する自然法則にそって行われ、人間による自然の改造発展速度に比べればつまらないものであります。人間は自然の法則を認識したうえで、自然を目的意識的に改造し変革させます。そうして人間による自然の改造発展は、盲目的に行われる自然そのものの進化発展速度に比べようもなく早く進められます。

    人間は、自然そのものとしては数千年かかる進化発展過程も、客観的法則を認識しそれに能動的、積極的作用を加え、速いスピードで促進させます。そればかりでなく自然そのものとしてはとうていできない自然の発展を自らの積極的な活動で推し進めていきます。

    これは自然にたいする人間の支配力を表わす尺度である社会生産力が、歴史の発展とともにますます速いスピードで成長してきたことを通じてもよく分かります。

    人類の最初の労働道具である石器から鉄器に移行するまでは数十万年がかかり、それにたいしてひきうすを利用した時から初めて蒸気を動力とする製粉機の発明までは数千年、生産に機械が導入された時から自動化を実現するまではわずか数百年しかかかりませんでした。また20世紀初にいたってはじめて人類は飛行機の製作に成功し、それからわずか数十年後には宇宙飛行船を製作して宇宙旅行をするようになりました。

    20世紀に入って原子物理学と高分子有機化学の急速な発展、特に最近の情報科学技術と生命科学技術、ロボット工学と新材料工学、ナノ技術をはじめ先端科学技術の急速な発展とその生産への導入は、人間による自然の支配と改造発展過程が人間の発展とともに加速的に行われることを実証しています。

    また、人間の発展に即して社会も速いスピードで発展します。

    もともと社会革命の歴史は、社会を変革する人民大衆の革命的能力が成長、強化されてきた歴史であります。長久な人類史の発展過程は、人民大衆の革命的能力が成長するほど、社会発展が早いスピードで進められてきたことを示しています。

    世界的規模からみると、原始社会の発展はとても微々たるスピードで行われ、今から6千年前に奴隷社会へと移行しました。人類の発生を数百万年前と推計する時、原始社会の存続期間は今までの人類史の絶対多数の期間にあたる、非常に長い期間でありました。そして奴隷社会が4千年間存在したのにたいし、封建社会はおおよそ1000~1500年間持続し、資本主義が生まれてわずか数百年もしないうちに社会主義が出現しました。社会の発展段階が高まるほど搾取階級社会の存続期間がだんだん短くなってきた事実は、人民大衆の革命的能力が成長するにつれて社会が加速的に発展することを示しています。                     

    とくに人民大衆が国家と社会の主人になる社会主義社会において、社会発展を阻害するあらゆる搾取階級と反人民的な社会制度が一掃され、人民大衆の自主的な思想意識と創造的能力が全社会的範囲で増大し高く発揚されることによって、かつてのあらゆる搾取階級社会には比べようもない非常に早いスピードで発展してきた歴史的事実がこれを立証しています。

    このように人間の自主性と創造性、意識性が発展し彼らの積極的な活動が強化されるにつれて世界の発展過程が促進されるのは、人間による世界の支配と改造発展過程に作用する固有の客観的法則性であります。

    世界が人間の発展に即してますます発展するのが、人間によって支配され改造される世界発展の法則性であるという主体的見解は、革命闘争と建設活動が深化されるほど人間の自主性、創造性、意識性を絶えず高めて自然と社会を改造する活動をさらにおし進めなければならないことを教えています。