人間の本質的特性である自主性、創造性、意識性は互いに密接に結びついている。
自主性が世界の主人としての人間の地位に表れるならば、創造性は世界の改造者としての人間の役割に表れる。
自主性は創造性を発揮させる要因である。
人間の活動の根本目的は自主性の実現にあり、人間は世界と自己の運命の主人として生き発展しようとする自主的志向と要求から出発して創造性を発揮していく。自主的志向と要求が強烈であればあるほど、創造的知恵と力がさらに高く発揮される。自主性が実現された程度によって創造性を発揮することのできる条件も拡大する。
創造性は自主性の実現を保証する。
人間は世界の主人として生き発展しようとする自主的要求を世界を改造する活動によって実現していく。周囲世界に順応しては人間に加えられる拘束と従属から脱せない。人間が拘束と従属のない世界で生きるためには、必然的に自然と社会を改造し変革しなければならない。創造は人間が自主的に生き発展するための必須的な工程となる。創造性が高く、それが高く発揮されるほど、自主性はより良く実現される。
自主性と創造性は意識性を前提にし、またそれによって保証される。
意識性は自主性と創造性の前提である。
意識性が自主性と創造性の前提であるというのは、人間が意識性をもっていることにより、自主性と創造性を有することを意味する。
自主性を規定する決定的な要因が自主的な思想意識であるならば、創造性を規定する基本要因は科学技術知識である。
自主的な思想意識をもつ人間のみが自主性をもった存在、自主的な人間となれる。人間が自主性をもったか、そうでないか、自主性をもったならばどれほど高い水準の自主性をもっているかを決定する基本要因は、自主的な思想意識である。
人間は科学技術知識をもってこそ、創造的な存在としての面貌をはっきり表せる。科学が自らの姿をはっきり表し出しながら科学技術知識が創造性を規定する基本要因となった。
意識性は自主性と創造性の保証である。
意識性が自主性と創造性の保証であるというのは、人間の自主性と創造性が意識性の作用によってのみ発揮されるということである。
人間のすべての認識活動と実践活動はみな意識性によってその発揮が保証される意識的な活動である。意識性は人間の活動のすべての契機と過程を規制し、調節統制しながら自主性と創造性の水準と発揮程度を左右する。
人間の自主的活動は自主的な思想意識を根本要因にして起こり推進され、人間の創造的な活動は科学技術知識を基本推進力にして推進される。意識性、意識をどれほど高い水準でもっているかによって自主性と創造性を高く発揮することも、そうでないこともあり、それによって世界の支配と改造をめざす活動の成果が左右されるようになる。
