チュチェ思想は人間を中心に据えて社会の本質を新たに示す。
社会は人間が集まった集団である。
「社会とは一言でいって、人間が集まった集団です。人間が社会的財産をもち、社会的関係で結ばれて生活する集団がすなわち社会なのです」
人類社会の初期から人間は互いに結ばれて集団を成して生きてきた。人間が集まった集団であるというところに自然と区別される社会の本質的特性がある。
社会は人間が社会的財産をもち、社会的関係で結ばれて生活する集団である。
人間は個別的にではなく集団を成して生き、物質生活の要求と思想精神生活の要求を充足させ得る社会的財産、つまり物質的財産と精神文化的財産を創造し、それを利用しながら生きていく。
物質的財産には生活手段と生産手段が含まれており、精神文化的財産には思想と科学技術知識、文学芸術作品などが属する。
人間は社会的財産をもち、社会的関係で結ばれて生活する。
社会的関係は社会生活、換言すれば政治生活、経済生活、文化生活過程に結ばれる人間間の関係である。
社会の主人は人間である。
人間が社会の主人であるというのは、人間が社会的財産と社会的関係の主人であるということである。人間が社会的財産と社会的関係の主人となるのは、人間によって社会的財産と社会的関係が創造されるからである。
人間が社会の主人であるので社会の発展水準は人間の発展水準によって規定される。
人間の自主的な思想意識と創造的能力の向上によって社会的財産が増え、それに合わせて社会的関係が発展するようになる。