歴史の自主的な主体に関する問題は歴史の主体としての人民大衆の発展水準、歴史の発展における地位と役割に関して提起される問題である。
歴史の自主的な主体は歴史と自己の運命を自主的に、創造的に開拓していく人民大衆である。
「人民大衆が革命の自主的な主体になるためには、党と領袖の指導のもとに一つの思想、一つの組織に結束されなければなりません。」
人民大衆は歴史の主体であるが、常に自己の運命を自主的に、創造的に開拓していく歴史の自主的な主体になるのではない。搾取階級社会で人民大衆は少数の支配階級の搾取と圧迫を受けてきたし、歴史の主人としての地位を占めることができなかった。人民大衆は搾取社会で自己の意思によるのではなく、多くの場合、支配階級の意思にしたがって歴史を創造する重い負担を担わざるを得なかった。こうした境遇にある人民大衆はまだ歴史の自主的な主体となったとはいえない。
人民大衆は歴史舞台に先進的な労働者階級が出現し、彼らの自主的な革命思想によって意識化、組織化されながらはじめて歴史の自主的な主体として登場した。
人民大衆が歴史の自主的な主体となる上で基本は、正しい政治的指導を受けることである。正しい政治的指導を通じて人民大衆は歴史と自己の運命の主人という確固たる自覚をもつようになり、組織的に団結されて歴史の自主的な主体となるのである。
人民大衆にたいする党と領袖の指導は、特に広範な人民大衆によって遂行される革命運動で重要な問題として提起される。
人民大衆は党と領袖の正しい指導を受けてこそ、自然と社会を改造する深刻かつ複雑な革命闘争を力強く展開して民族解放、階級解放を成し遂げ、社会主義社会を成果的に建設することができ、それを正しく運営していける。
人民大衆が歴史の自主的な主体としてさらに発展されるには、社会主義制度が樹立されなければならない。
社会主義制度では人民大衆を思想的に目覚めさせ、組織的に結束する上で必要なすべての社会的条件が十分に保障される。人民大衆が社会の真の主人として革命的な思想を探求して普及し、体得できる権利をもち、一定の政治組織に網羅されて組織的鍛錬を強化させることに、社会主義制度の大きな優越性がある。
人民大衆は社会主義制度で全社会の一心団結を成し遂げ、歴史の自主的な主体の威力を一段と強化していく。